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ギルドのトイレ掃除をしたい異世界人の男性さん

作者: 柳ミル
掲載日:2026/07/24

男性はトイレ掃除を仕事にすることは難しい。

都会は知らんけど、田舎じゃ電話の段階で拒否されます。やっぱり違和感なのでしょうね。

「なんで…おかしいじゃないですか」

「何かおかしいか?」


「なんで…なんで男性がトイレ掃除をしているんですかっ」


私は何も聞いていない。

出したくなったからトイレに来た。

すると、男性が便器の掃除をしていた。

「何か魔法で仕込んだとかじゃないですよね!?」

という言葉はなんとかのみこんだ。


そもそも、この人はどこから来たんだ。

異世界人かもしれないけど。


その男性は真剣に、こう返す。

「俺にトイレ掃除をさせてほしい」

理解が追い付かないや。




「異世界に迷い込み、最初に思ったことはトイレ掃除をしたい、だったんだ」

なにやら語り出す。

やっぱり異世界人らしい。時々現れる異世界人。トイレ掃除をしたい異世界人なんて初めてだけど、絶対。

「俺はトイレ掃除が好きなんだ。

金運がよくなるらしい。それに、知ってるか!? トイレ掃除をするとべっぴんさんになれるらしい! トイレ掃除をするだけでだ! わかるか!? トイレ掃除の素晴らしさがっ」

わかんない。

「トイレ掃除を仕事にしたかった。

なのに、元の世界では面接すらさせてもらえなかった! 男女平等と言いながら男性はトイレ掃除をしてはいけない!? おかしいじゃないかっ」

何もおかしくない、何仕込まれるか分かんないもん。盗撮の魔法とか。

「ギルド長からは許可をもらったんだ! 女性だったから本当にいいのだろうと確信したがダメなのか!? 俺がトイレ掃除を仕事にしたらいけないのか!?」


熱くトイレ掃除について語る男性さん。

向この世界では皆こうなのか、私には分からない。


悪い人ではなさそうだ、頭は悪そうだけど。


「ダメなのか!?

いっそ土下座をするしか…」

「わ、私はいいですよ? 別に」

「本当か? 受け取ってくれるか、この気持ちをっ」

「はい。私は、ですけど。ギルドの他の方々や、ギルドを利用する冒険者さんたちは分からないですが」

「そうか! ありがとう、異世界に来てよかった」

「だから、だからですね?」

「なんだ」

「早くトイレを使いたいな」

「もう少しで終わります。独学のトイレ掃除が」

「あと、掃除中は掃除中って紙をはった方がいいかな」

「なるほど」




後日。

「今日もありがとうございます」

「ふう。少しはべっぴんさんになれたかな」

「私、お菓子を作るのが趣味なんですよね。よかったら、後ででうぞ」

「わかった! ありがとう!」

「後でっ、てか手を洗って! 汚い手で食べないで!」



最後までお付き合い、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
こんばんは! トイレ掃除に男性は見たことがない気がしますね。 平等とは、何なのか考えさせられました。 トイレ掃除を好きな理由が面白かったです。 素敵な物語を読ませていただき、誠にありがとうございます。
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