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第七話 丁寧は怪しさ

「ドーヴィル寝させちゃってごめんね。今起こすからね!」


解除(ブレイク)


「──ん……? あ、ユーアさん。もしかして俺気絶とかしちゃってたんですか?」


 洗脳されていた時の記憶はないみたい。

よかったぁ。私の恥ずかしい発言が聞かれていたらもう1回洗脳魔法をかけるとこだった……!


「そ、そーだよ! 頭に石みたいなの当たっちゃって倒れてたんだよ!! 心配したよほんとに!」


「そうなんですか、それはほんと申し訳ないです。それで異変の原因は見つかったんですか?」


 異変の原因!? ドーヴィルになんて伝えればいいんだろう。謎に包まれた人工物と冒険者カードが共鳴してたとか?

それともフードの何者かが起こした?

いや、いや! どれも嘘っぽすぎるし、信憑性がない!!

伝えないのが一番いい気もするかな。


「ううん。見つからなかった! 何も異変は起きなかったよ」

 真実を伝えられなかった。これは正しい判断なのか?

超えては行けない一線を超えた気がする。

胸の奥が、きしんだ。天使の輪をどこか落としてきたのかな。


「そうなんですか……。もし僕たちが見つけられてないだけでまだ原因が残ってたらほかの冒険者の方たちに申し訳なさしか残りませんね」


「そうだね。でも私たちに何の影響も出なかったから多分大丈夫だよ! とりあえずギルドに戻ろっか!」


「その前に僕たちはゴブリンのクエストをやらないといけないよ!」


「あ! 忘れてた!! ささっと倒してこよう!!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 無事にドーヴィルと協力してゴブリン討伐も終わり、ギルドへ帰還してきた。

東の平原について報告しようとしていた時だった。


「────はい。分かりました」


「みなさん。報告がございます」


 受付の方に目線が集まる。張り詰めた空気の中、受付のお姉さんは神妙な面持ちで佇んでいる。一拍置いてから口が開く。


「先程東の平原についての報告があり、東の平原には植生しているはずのない一定条件で人を洗脳してしまう魔性植物が生えていたことが分かりました。そのため今回の事件はそちらを原因としてギルド長を含めて決定いたしました。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」


 ──魔性植物? なに? この報告。

丁寧すぎる。さっきまでは焦りが先走っていたはずなのに。

私の背筋が少し冷えた。


 まずまず東の平原に怪しい魔性植物なんてひとつもなかった。冒険者の虚偽報告か? いやもしもほんとに虚偽報告だとしたら、それはギルドの信用問題に直結する大きな事件になる。信用を大切にするギルドがわざわざ精査もせず、冒険者の報告を信じるのか……? いや普通なら信じない。

まず報告があったのかすらも怪しい。なぜこんな嘘ってわかること言ってるんだ? 苦し紛れの言い訳?

理屈ではいくらでも言える。それでも納得はできなかった。


 私が見たのは謎の人工物。あそからは見覚えのある魔力が流れていた。人間界に来る前まで腐るほど見てきた魔力。

そう、()使()の魔力だった。あれを作ったのは絶対天使だ。

もし天使だとしたらギルドに天使の手が伸びているの……?



 この子案外勘もいいみたいだね。



「無事解決したみたいで何よりですね、ユーアさん!」


「う、うん!! 魔性植物が原因なんてびっくりだよー!」


 ほんとにびっくりだよ!! ホントの原因は別なのに!!

まあだが悲惨な事故の原因もわかったからなのか、ギルドにはまた少し活気が戻った気がする。


「ユーアさん! せっかくならクエストも終わったので街の散策をしませんか?」


 ずっと考えていてもキリがないよね。

ここはいったん休憩を挟むのが最適だね!!


「いいねー!! 私、村のこと知らないからドーヴィル案内人になってよ!」


 2人はギルドから出て、表通りへと向かった。

知らぬ場所でまた思惑が募っていることを知らずに。













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