第四話 初クエストをしたい!
早朝、まだ街に活気が戻っていない時間。
ユーアはドーヴィルと共に冒険者ギルドに訪れていた。冒険者として初のクエストを受けに来た。
「ドーヴィルどのクエストがいいかな?」
クエスト掲示板にはたくさんのクエストが転がっている。
「んーと、Dランクのクエストはこれじゃないかな」
・ゴブリン退治 3体 1500ロン
・東の平原、”特別調査”
・スライム 一体につき100ロン
「Dランクともなるとやっぱ種類は少ないね。
ゴブリン退治なんか最初のクエストにはよさそうだよ?」
「たしかに! はじめてだからまだ優しめのやつのほうがよさそうだよね……?」
ん? 何だこのクエスト?
「東の平原、”特別調査”」
新しい紙が使われている。だが依頼人も依頼内容も隠されている。報酬額だけがやけに大雑把。
なにか──触れちゃいけない空気がここから流れて……いる?
「ねえねえドーヴィル! このクエスト、なんかおもしろそうじゃない?」
「このクエスト? えーと、東の平原特別調査? 何だこのクエスト、初めて見た」
「始まりの村付近のクエストは比較的他のギルドと比べて簡単なはずなんだけど……
なんでこれだけ毛色が違うんだろう?」
やっぱなにか普通ではないことが起こっているらしい。
──関与するな。脳裏に深く刻まれた言葉だ。
でもなんでこんな胸騒ぎがするんだろう。
「よし!決めた! ゴブリン退治にいこう!!」
やっぱ人間のことに関わり過ぎたらだめだからね! 一旦放置しておこう!
「わかった。じゃあ受付にこの依頼書をもっていこう!」
「わかった!!」
可愛いお姉さんいるかなーー!!
「すいま──」
受付に依頼書を出そうとしたときだった、ギルドの扉が勢いよく開く。
全身から止まらぬ汗を流し、服は腕と胸の箇所が赤く染まっている。
「た、た、助けてくれ!」
ギルド内に広がる熱気が冷め、視線が集まる。
「仲間が……殺された」
そこで男は言葉をつまらせる。
「東の平原クエストあるだろ……? 最初は良かったんだ、なのに急に別のパーティーが俺らに向かって攻撃してきたんだ」
「俺らは警戒すらしていなかった。すぐに味方の血が飛んで、殺されていた。
その後だよ……あいつら自分で喉を──」
全員の顔が強張った。唾を飲みこむことすら許されない。
最初に口を開けたのは受付のお姉さんだった。
「事情はわかりました。もう少し詳しく聞きたいので奥に行きましょう」
床を静かに蹴り出す音が響く。なにも言えない雰囲気のまま二人は消え去った。
次回更新は1月19日予定




