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第一話 秩序の始まり

 この世界において天使は、三つの位に分かたれている。

天使はこの階級というものにこだわっているらしい。

私にとっては──ただの配置にしかならないが。


一つ、人の世で崇め讃えられ、特に「神」と呼称される「上級天使」


一つ、上級天使に仕え、その使命のためだけに存在する者たち。「中級天使」


一つ、雑務、補助、そして人間界、魔界の監視(オーダー)。誰の記録にも残らぬ「一般天使」


──本来は注目などされない存在はずだ。あの子さえいなければ……


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


  天使の羽音が響く純白の楽園。目の前に広がるのは天界。

そんな天界のある場所に佇む神殿に、荘厳に座す中級天使様。

彼女が重たい口を開く。


「はい! どうされましたかぁー? 」


「一般天使、あなたにはもう少し口の利き方教えるべきでしたね」


「わたし敬語とかわかんない! そんなことより中級天使様がお呼びになるなんて珍しい!! 何かあったんですかー? 」


「あなたについてですよ。一般天使さん」


「え私について? なんかわたしやっちゃいました? 」


「あなたも屍のように天界に篭もるのを辞める時がきましたよ」

「やっともやっと、仕事が来たんですよ」


「え、しごとぉー? 面倒くさそー、やりたくなぁーい······」


「面倒くさがらず、話を聞いてくださいよ」


「わかったよぉー 」


「あなたに任せたい初仕事は人間界の監視(オーダー)です」


「多分大変だ! その仕事! 言われたからにはやるしかないけどさぁー」


「この監視(オーダー)は、百年単位の任務ですよ?」


「ひゃくねんー? なーがいね! まあできるでしょー!!」


「おぉ、やってくれますか。あなたなら駄々をこねると思っていたんですが。存外、成長はしているようですね」


「え褒めてくれた!! わたし、成長してるんですよ!!」


「そんな成長してる君ならこの仕事こなせますね?」


「よゆう!! はやくいきたぁーい! 」


「やる気は十分ですね。では、いきますよ」


「「天界十四条より、対象者に天啓を。彼女に職を与えよ」」


()()()()


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


  人間界に一本の光の柱が顕現した。

 神々しい衣を纏った一人の一般天使が現れた───


  「わたしはいっぱんてんし! 名前はないよ! 」


  人間界の監視(オーダー)を任されて、ここ、地上に飛ばされてきちゃった! あんまり人間界のこと分からないはずなんだけど、頭に少し知識を入れてくれたみたい!


  わたしは行かないといけない場所がある!

それがどこにあるのかは分からない! でも何もしないのは暇だから降り立った時に見つけた看板を見てみる!


「「この先、始まりの村」」


  この世界の文字読める……!


「始まりの村?

  よくわかんないけどこれしか道はないね!! 」


  おそらく始まりの村に向かうであろう一本道をひたすら歩いてる中、魔力の反応があった。


「ん? 魔力の反応がする!! これは……右からだ! 」


  右から勢いよく出てきたのはウルフって生物らしい。

 なぜわかったのかな? なんか頭が勝手に教えてくれちゃった!!


「人間界初仕事だ!! 手を抜かずに行くぞー!! 」


 ウルフに対して何も恨みなどはないが、人間に害をもたらす()()!! 狩りすぎも良くないが、倒しちゃいけないわけではないはず!! ごめんなさい!!


「ウルフよ、天の導きを受け止めなさい。 『天雷(アマノイカズチ)』」


  この攻撃は轟音と共にウルフを確実に天へ導く攻撃となった。いやそれすら甘い表現だろう。

ウルフの残骸は燃えてなくなり、魂ですら成仏する前に焼き殺す攻撃。

そう、このいっぱんてんし、加減ができない。

実際、撃ち抜かれた地面には、焦げ跡も塵も残っていなかった。


遠く、村の方角で。

「なんだ今の強烈な光は……?」


 そんなことは気にもかけず、てんしちゃんはポツンと立っていた。

「あれー!! 居なくなっちゃった!! 逃げられたのかな?

  まぁいっか! 」

「それよりこの道どんどん進まないと!!!すぐに夜が暮れちゃうよーーー」


  一般天使。その名称は傍から見たらただの雑用天使。

彼女もその一人で、しかも少し抜けているところがある。

だがそんな彼女、()()()()なのである。

私はその光や魔力を見て、あるところではその異常さに危機感を覚え、またあるところでは興味が生まれた者がいることを知った。



天使の悪戯(いたずら)により、世界の秩序が変わり始めた……















 

 



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