ボディーガードさんは学園ではなぜか神格化されているようです〜
こんにちは、四宮スノウです!
第二話です!
それでは、小説の世界をお楽しみください!
とたとた。
と間抜けな足音を立てているのはーー
「あと少しで学校に着くかな…?」
ーー御園ルアナだった。
こいつ、本当にプロのボディーガードなのか?とでも読者に言われてしまいそうな歩き方である。
今日も忙しくなりそうだなぁ…。
と心の中でぼやいていたとき。
「おっはー、ル・ア・ナちゃーん!」
という底抜けに明るい声が聞こえた。
そして。
ーーどがっ!
後ろからタックルをされて倒れるルアナであった。
「いてて…。ちょっと、毎度毎度タックルするのやめてくれるかしら…!?」
ぶつけた鼻を押さえながら恨めしさを宿した目で彼女を睨みつける。
今にも、恨めしやああ、という声が聞こえてきそうである。
「えへへ、ごめーん。体が勝手に動いちゃうんだぁ」
と悪びれる様子もなく開けっぴろげとした表情で謝る彼女の名前はーー。
「悪い、なんて少しも思ってないようですわね。宮下莉子さん?」
宮下莉子。
狼の獣人の女の子だ。
親しみやすい性格でクラスのムードメーカーだ。
「それと。宮下さん、他の人がいるときは敬語を使うのと、『御園さん』と呼ぶように言っておきませんでしたか?」
ルアナがこんなことを言うのには訳がある。
莉子とはとても仲がいい親友なのだが、ルアナは学年内で神格化されておりタメ口を使った途端、学年中から責められるのが目に見えているからだ。
「あ、ごめん、御園さん」
と素直に謝る莉子。
それでよし。
ーーと。
「おはようございます、ルアナ様!ご機嫌いかがですか?」
「おはようございます、御園様!いい一日をお過ごしください!」
声をかけてきた女の子二人。
「ええ、おはよう。二人ともありがとうね」
にっこりと微笑んで挨拶をすると、女の子二人は頬を赤くして
「きゃあああああ〜♡」と言いながらその場を離れていった。
そんな声を上げる必要があるのか?
と疑問を持ちつつ二人を見送ったルアナであった。
〜数分後〜
ふう…。ようやく私に会いにくる人が落ち着いたかな…。
そろそろ教室に…
「「「きゃああああああああああああっ!」」」
うるさくて思わず耳をふさぐ。
これは"彼"が来た合図だ。
私のチーム『シャドウ』のもう一人のメンバー、神薙ギル。
彼はこの学校の生徒会長なんだ。
その上完璧な容姿だから女子生徒に特に大人気。
だから彼が行くところでは100パーセント黄色い悲鳴が沸き起こる。
ほんとは挨拶はしたくないが…。
挨拶しないと学校中の女子生徒から目の敵にされるから。
「おはようございます、神薙ギル生徒会長。ご機嫌いかがですか」
ルアナは表情を変えないように努めながら淑女の礼であるカーテシーをとる。
「ああ、おはよう」
ギルは王子様スマイルを全面に出し挨拶を返してきた。
…目立つからやめていただきたいのだが。
「ああ、ギル様とルアナ様、今日も見目麗しくいらっしゃる…!」
「お二人とも、お美しい…!」
ほら、言わんこっちゃない。
はあ、と心の中でため息をついたルアナ。
「失礼ながらわたくしは教室に向かわなくてはなりませんので、これにて。ご機嫌よう、みなさま」
微笑を浮かべながらそう言い、カーテシーを再び。
そして踵を返してどこかへ向かっていった。
ちなみにルアナがいなくなった場では。
「ああ、ルアナ様、お美しいっ…!」
「礼儀作法も完璧ですわ…!」
「私たちも見習わなくてはなりませんね…!」
「か、可愛いっ…!」
「制服は同じなのになんで輝きがあんなに違うのかしら…!?」
とルアナに心酔する男女が合わせて20人ほどいた。
そんなことはさておき。
「ふう。疲れましたわ…」
とお嬢様言葉を崩さないように気をつけながら少し姿勢を崩して中庭のベンチに座る。
中庭には薔薇や白百合、シマネトリコ、ローズマリーなどが植っていた。
中庭の中央には大きな噴水があり、色々な彫刻が設置されていた。
まさに美しい庭園である。
少し中庭でまどろんでいたときだ。
リーン、リーン。
という鈴の音が聞こえたのは。
鈴の音は、ルアナの高級ブランドの腕時計から聞こえた。
「あら、あと少しで授業が始まるわ。急ぎましょう」
ルアナはそうつぶやくと、少し急ぎ足で教室に向かうのだった。
そして数分後。
キーンコーンカーンコーン
軽やかなチャイムが鳴り、授業が始まった。
ルアナはもちろん着席している。
「えー、この問題は…ではルアナさん、お願いします」
担任であるユイナート先生が突然私を指名した。
まあ、問題ないけど。
「この問題、難しくない?」
「ルアナ様も解けなかったりして…?」
というヒソヒソ話をガンスルーして、黒板の前に移動する。
そしてチョークを手に取るとーー
ーー凄まじいスピードで式を描き始めた。
カッ、カカカカカ、カカッ。
そして。
「ーーできました」
教室にざわめきが広がる。
「嘘、速い…!」
「すごい…!」
みんなの視線がユイナート先生に集まる中、彼がゆっくりと口を開いた。
「…正解、です」
やったあ!
「やっぱすごいねルアナ様は…!」
「かっこいい…!」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、ユイナート先生が言った。
「それでは、休み時間にしてください」
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それではまた!




