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第六話 君を見ているのさ

 教会に行くのはしばらく先と知り、僕は自由な時間をたっぷりもらった。家で休憩したり、外を歩いたりする事は思いついたが、前からする予定だった事をすることにする。

 前に仕事をしていた時のことだ。

 外に出て痕跡などを探していたら、背中をトンと叩かれた。振り返ると黒い帽子を被った男が居た。ニコニコと不気味な笑みを浮かべていた男に、深く恐怖した。

「こんな少年が探し物とはね。おっと失礼。私はブラックハットの代表のエル−バファンデットだ。よろしく、少年。」

 エル−バファンデット

 唐突に浮かんだ名前を無視して話しかける男に返事をする。

「え〜と、サイトウです。何か用でも…」

「いやいや。今度時間があればと、名刺の一つでもね。しかし時間とはいっても、一夜では足りません。そうですね…20は欲しいですね。きっと欲しがりな彼女はそれ位求めてしまう。余裕があれば、余裕があればね。では情熱が盛る日を。手持ち無沙汰は嫌われてしまうので。」

 よくわからない言動の男は何処かに行ってしまった。貰った名刺にはブラックハット代表エル−バファンデットと大きく書いてあり、下の方にここを折れば私と会えるでしょうと書いてある。

 ということがあった。折れと書いてある名刺を箇所を折ってみる。

 ジジっと音を出しながら、名刺が焦げてしまった。熱くもない。不思議な名刺だ。

「呼び出しありがとう、サイトウ君。」

 突然目の前にエルが現れる。黒い帽子を被っていて、ニタニタと不気味に微笑んでいる。

「さて、サイトウ君。君への用事は一つだ。私達の大事な装備が賊に取られててしまってね。それを取りに行く手伝いを頼みたいのさ。」

「は、はぁ…」

「やや!分かっているとも。報酬の話だろう。金は用意するが…もう一つ。君にサプライズを用意している。ビジターの君を私なりに歓迎しようと思ってね。パーティー替わりに目を上げようと思う。」

「…ビジターとか目とか。さっきからなんの事を…」

 突然ピシッと口に手を当てられる。

「目と言うと分かりにくいね。真実は時に残酷だ。しかし、知らなければ、見なければ、その残酷さを知ることも無い。目は目だよ、君の家族を見る目だ。」

 家族……。

「何故僕がその手伝い?をしなければならないんですか。」

「至極真っ当だがビジター、及びサイトウ君。今私のような異常者を落ち着かせられないのは悪手だぞ。フォン−イーハンの作戦にいくらでも妨害行為を行える。」

「分かった。」

「やや!素晴らしい返事だ。理想的で拍手が止まらないよ。」

 もしかしてまずい事になったんじゃ…

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