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勿怪の幸い

第六話まで来ました!

これからも良い物語を書けるように鋭意努力しますのでよろしくお願いいたします!

早朝四時四十五分、先輩より先に待ち合わせ場所のコンビニに着いた。

二分程してから先輩は現れた。

「優君、おはよう。待たせちゃってごめんね」

「おはようございます。問題ないです、僕はコンビニに着いたばかりです

ので」

「それは良かった。さぁ、行こう」

先輩と並んで歩き出した。

「優さーん!彼女さんですか?!」

(やば、見られたか)

背後を振り返ると、むべなし美子さんが驚いた様な表情でこちらを

見ていた。

「美子さん、おはようございます」

「おはようございます。ところで、隣の美女は優さんの彼女さんですか?!」

興奮気味にこちらに詰め寄ってくる。

「学校の先輩です。恋愛関係じゃないです、ですよね?先輩」

「はい、その通りです」

先輩は堂々と答えた。先輩に惚れている男子生徒だったら、枕を涙で

濡らしていただろう。

「そうですか。いつも一人でいる心象(しんしょう)のある優さんが美女と一緒に

いましたから驚きしました。すみません」

申し訳なさそうに頭を深く下げる。

「問題ないです。お気になさらず」

「私達は何も気にしていないです。大丈夫です」

深謝(しんしゃ)しているのは判然(はんぜん)とわかるが、

何か安心しているようにも見えたのは気のせいだろうか。

「では、僕達は行きます。お疲れ様です」

「お疲れ様です」

「またお店に来てくださいね!」

僕達は歩き出した。

「先輩、早朝から呼び出して申し訳ございません」

「気にしないで!お礼なんだし!」

僕はお礼として、朝先輩に付き合ってもらう事になったのだ。

早朝だと人が少ないので、目撃される蓋然性(がいぜんせい)は低いと判断した。

「優君はいつも朝散歩してるの?」

「そうです。ルーティンです」

「良いね。健康的だね」

「そうなんです。体力も付きましたし」

「継続は力なりだね。流石」

「ありがとうございます」

しばらく歩き続け、時間を確認するとそろそろ帰宅するのに

良いタイミングと判断した。

「先輩。そろそろ戻りませんか?」

「あの、優君がやりたかった事って散歩だったの?」

「はい、そうです。朝の散歩に付き合って頂く事がお礼です」

「優君って本当に無欲だよね。ここまで来ると、多少Hな事でも

させてあげるから、お願いしてって言いたくなる」

先輩は苦笑していた。

本当に僕に顧慮しなくても差し支えないから、僕の事を気にしないで

欲しい。

「どう?許容範囲ならHな事でもお願い聞いてあげるよ?

過激なのは無理だけど。助けてもらったお礼はしたいから」

先輩は赤面しながら恥ずかしそうに顔を手で覆う。

恭しいのは確かに芳しい(かぐわ)と思うけど、ここまで来ると

先輩の気持ちを斟酌(しんしゃく)してお礼を受け取らなければならないという責任感が感じられる。

「あの、優君が構わなかったら私がお礼を決めていい?」

僥倖(ぎょうこう)にも先輩がお礼を決めてくださるというありがたい話が出た。

「はい、お願いします」

「じゃあ、こっち来てくれる?」

先輩は手招きをした。

おずおずと近づくと、いきなり手を掴まれ、引き寄せられた後、

顏が柔らかい何かに包まれた。

(…えっ?)

思考が一瞬停止したが、須臾(しゅゆ)元に戻り、現状を理解した。

そう、今僕は先輩に抱擁(ほうよう)されている。

面妖(めんよう)にも羞恥心は感じず、安らぎを感じる。

先輩の温もりが、鼓動が、僕の体を良い塩梅(あんばい)で脱力させる。

「どう?このお礼は物足りない?」

「いえ、十二分(じゅうにぶん)という程有難いです」

「良かった。男の人をこうやって抱くのは初めてだけど、こうしていると

胸が暖かくなるよ。またも、優君に感謝して、お礼しなきゃだね」

先輩は笑う。

確かに、この感覚をもう一度味わえるなら、斟酌(しんしゃく)するのは

したくないなと思った。







ありがとうございました!

引き続きよろしくお願いいたします!

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