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日常の幸せ

上首尾に執筆出来ていると自信では実感しております。

これからも良い塩梅で執筆してまいります。

「小塚君、今いい?」

昼休み、椅子に座りながら目を閉じている時クラスメイトに

声を掛けられた。

「なにかな?」

「あのさ、休み時間いつもそうやって座っているけど、何か

考え事しているの?」

「考え事じゃなくて、こうやって目を閉じるのがリラックス方法だから、

こうしている」

「そうなんだね。いつもそうやっているから気になってね。

ありがと」

「どういたしまして」

僕に話しかけたクラスメイトは、先ほどまで自身がいたグループに

戻り、会話を再開した。怪しまれないように視線を向けて会話を聞いて

いたら、僕の事を話して笑っている様だった。

僕なんか度外視(どがいし)して、楽しくグループと話した方が全然いいのに。

しかし確かに、教室じゃ人目に付くから、気になるのも無理ないから

場所を変えた方が、周りも気にならないだろし、僕も一人でゆっくり

出来るとなると、そうした方が安牌(あんぱい)かなと思う。

今日の昼休みもいつもと変わらない。

その後の授業もいつも通り授業を受けて、バイトへ向かう。

学校は楽しい楽しくないとか考えていないけど、バイトしている時は

とても楽しく、嬉しい気持ちになる。

楽しく働けて、お店の人も来てくださるお客様も良い人達で、

お金をもらえるだなんて僕は果報者だと言明(げんめい)できる。

店に着くと、制服を脱いで仕事用の服に着替えてエプロンを付ける。

確かにバイトは慣れたと言っても疲れる。

けど、その疲労感が僕にとっては気持ちいい。

大塚さんやお客様から「ゆーちゃん」って呼んでもらえるのも

嬉しいし、嬉しい思いをしながらお金貰えるだなんて

願ったり叶ったりだ。

「ふふっ」

思わず微笑んでしまった。今日も最後まで仕事は楽しかった。

「大塚さん、今日も一日ありがとうございました」

「こちらこそありがとう。本当に店は連日繁盛しているよ。

学業に支障出ていない?どう?」

「問題ないです。毎日恙なく過ごせています」

「それは何より。無理しないでね、疲れていたり、今日働きたくないって

思ったら気兼ねなく言ってくれたらいいからね」

「ありがとうございます。その時はよろしくお願いします」

「いえいえ。今日も一日、お疲れ様」

仕事終わりの家路、コンビニに寄ってブラックコーヒーを一本買った。

「ただいまー」

家に着くと、手を洗ってからリビングに入る。

「お帰り。今日もお疲れ様」

「ありがとう。お母さんもね」

「少し待ってね。今から焼きそば温めなおすから」

ソファーに腰かける。今日一日の疲労感を吐き出すように息を吐いた。

「お母さん、いつも待たせてごめんね」

「大丈夫だよ。こうやって家族並んでご飯食べるのが幸せだからね」

「そうだね。お父さんもそろそろ帰ってくるね」

「うん。一家の大黒柱が帰ってくるよ」

二人で笑った時、玄関の扉が開く音がした。

お父さんが帰ってきたのだ。

「ただいまー」

「おかえり」

「お父さん、おかえり」

「あぁ、ただいま。いつも待たせてすまないな」

「なにいってんのさ。こうやって家族そろって食べるご飯が

美味しいんじゃないのさ」

「そうだよ、お父さん」

「二人共、ちょっとこっちに来てくれるか?」

僕とお母さんは顔を見合わせる。

一体どうしたんだろう?

言われた通りお父さんに近づくと、いきなりお父さんが僕達を

抱きしめた。

「ちょ、暖人(はると)さん!?」

「いきなりどうしたのさ!?お父さん」

「二人共、本当にありがとう。僕はね、凄く幸せなんだ。

心優(みゆ)さんと出会えて結婚出来て、そして優という大事な

息子を授かる事が出来た。こうやって家庭を持てた事は僕にとっての

大切な誇りだ。二人共、本当にありがとう」

「お父さん…」

「暖人さん…」

「だらしない僕だけど、これからも応援してくれると嬉しい」

昔、よくお父さんに抱っこしてもらった事を想起した。

この年齢になって、再びお父さんに抱かれるなんて予想しなかった。

「お父さん」

「なんだい?優」

「お父さんはこれからも大切なかけがえのないお父さんだよ。

僕もお父さんとお母さんの息子で良かったなと思う。

僕の方こそありがとう」

「私もだよ、暖人さん。貴方と結ばれて、優という大切な息子が出来た事は本当に嬉しい。私を選んでくれて本当にありがとう」

「優、心優さん」

お父さんは涙を流した。そして強く僕達を抱きしめた。

僕もお母さんもお父さんを抱き返す。

「さぁ!お腹も減った事だし、ご飯食べましょ!」

「そうだね。本当に待たせてすまない」

「私も優も気にしてないよ。ね?優」

「そうだよ。お父さん、謝罪なんで無用だよ。さぁ、食べよう」

その日の夕飯はいつも以上に話に花を咲かせて、ご飯を食べた。

「優、学校はどうなんだい?」

お父さんがから揚げを頬張りながら訪ねる。

お父さんもお母さんもいつもオープンクエスチョンで聞いてくれるから

答えやすい。

「いつも通りだよ。授業受けて、弁当食べて、授業が終わればそのまま

バイト」

「そっか。学校が辛いとか嫌とかその変はどうなんだい?」

「問題ないよ。心配してくれてありがとう」

「それならよかったよ。何かあったらすぐに僕か母さんに話してね」

「暖人さんの言う通りだよ、優。私達は家族なんだから」

「ありがとう。お母さん、お父さん」

涙を出そうなのを必死に堪えて、夕飯を食べ終えた。

お風呂に入ると、声を出さずに涙を流した。

(僕も将来結婚して家庭を持つなら、両親の様な親になろう)

絶対にそうなると僕は決心した。








最後まで読んでいただきありがとうございました!

感想など差し支えなければよろしくお願いいたします。

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