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1.目が覚めるとそこは―――

 ゆっくりと、意識が覚醒していく。

 体があることを感じる。

 なんだか、身動きが取れにくい。

 目を開けてみる。こちらも緩慢な動きになってしまった。

 しかして、その結果は、


「ごぶぼばばびゃべーば!」


 水の中に入れられていた。お母さんのお腹の中とかじゃない。ガラスの中だ、

 …まぁ、あのねーちゃんちょっと抜けてたからな。

 美人だから許せるが、あれで美人じゃなかったら許せなかったな。


「ごびゅ」


 なんか息苦しくはないけど、とりあえずガラスを破壊するぜ!ドロー!我が人類最強の体を使用!


バキッ!ズシャー!


 ガラスが割れて、大気を感じられた。

 水面に映った自分の姿を見る。俺が壊したガラスを見る。ガラスに入ってた俺。 


「…え、なにこれ。改造人間?」


え?神様から与えられたチートって赤ん坊として生まれてそこから成長しつつものじゃないの?

 いきなり起きて青年くらいの大きさになって改造人間として存在最強になることあるか。

 ねーだろ…。


 もっとこう、「子供なのに力強すぎてやらかしちゃったてへ」みたいなのやりたかったんだけど…。

 村を襲う大きいイノシシ倒して一人で持って帰るとかそういうのに憧れてたんだが。


「まぁ、仕方ないか」


 文句を言っても仕方がない。現実を受け入れよう。


「目覚めたか、被検体10(ワンオー)76(セブンシックス)よ」


しがれた声が聞こえた。車椅子?に乗った片目のじいさんがそこにいた。後ろには金髪美人の…メイド?がいる。じいさんの方はいかにも研究者って感じするし、ワンオーセブンシックスってなんだ?絶対ルピ振ってあるだろ。


「私の名は、オルテガ。しがない研究者じゃ。魔導を極めることを目標としていた。その研究の最高傑作がお主じゃ、被検体1076。これで私の研究は終わった。最後にこの娘に命を与え、この人生に終止符を打とう」

「っておい待てこら!勝手に話進めてんじゃねーぞ!ここはどこで、俺は誰で、あんたの研究の成果って何なんだ!突っ込みどころ多すぎるのに勝手に死のうとするな!」


 おいおいおい、急な展開に読者の皆さんもびっくりだよ。もうちょっとゆっくり説明してくれていんだぜ?何しろこれはまだプロローグ的な部分だろ。ナビゲーションプリーズ!


「お前には、この子が見えているな?」

「あ?あぁ、金髪メイドちゃんのことならバッチリ」

「それが研究成果じゃ」

「はぁ?」


 人を見れるようにするのが研究?どういうことだってばよ。

 いやまさか、この体を作るときに視力調整が難しかったのか?改造人間だしそういうこともあるのか…。いやないだろ。


「すまぬ、私にはもう時間がないのだ。許してくれ、被検体1076。この研究成果も、ある意味では無駄になってしまった。しかし、この先生きていくうえできっとお前を助けてくれることだろう。あぁ、私の、最後の魔導だ…。受け取れ、ライ…」

「ご主人様…」


 研究者じいさんの体から光が出てきて、それが金髪メイドちゃん―ライと呼ばれた少女―へと移った。

 そして、研究者じいさんは力尽きたようだった。

 いや、力尽き、死んでいたのであった。


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