事件
【2082年8月7日】
物語は図書館に戻る
声をかけてきたのは彼女だった。あれから一緒の大学に行き卒業をして僕は一般企業に就職、彼女は図書館の司書になっていた。
いつでも会っているが最近は会えないことも多くなってきていた
会社を辞めてからはなんとなく避けていたのかもしれない、
僕のこの状況を見られたくないと心の中で感じていたんだろう、
しかし今は、なんだかんだ理由をつけて会いに来てしまっている。
なんだか元気になってきた僕に反して彼女は具合が悪そうだった
「どうしたの、なんか疲れているね」
僕がそう話しかけると疲れたようにうなづいた、その時だった。
彼女は安心したのか、僕にうなだれ倒れ掛かってきた。
必死に支える僕、
「どうしたんだ、ちょっと」
僕は慌てた、気が動転した、大切な彼女に話しかけても返事がない、時は一刻を争うそう感じた、周りに大きな声で助けを求めた
「救急車!よんで早く!とにかく!」
息はしているようだった。だが意識がなくなっていた、胸から心臓が飛び出るとはこのことだと思う
僕にできる事は何も無い事が自分でも理解できた。心は焦るばかりで彼女の名前を呼び続けた必死に何度も何度も、
どれくらいたっただろうか無限の様に長い時間だった、
やっと救急隊がついた、直ぐに彼女の呼吸を確認して何かを調べ始めた、
早くしてほしいと何度も何度もお願いした。
救急隊の隊員が何かを僕に話しかけていた、
ふっと我に返った、(落ち着かなくちゃ)
とにかく連れていかれる彼女の後についていった彼女の両親に連絡を取った。
集中治療室のまえで一人途方に暮れる僕、その時彼女の両親が到着した、
登場人物 僕 彼女 図書館の先輩 救急隊員 彼女の両親