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彼女との出会い

【幼少期】


いつも、一緒だった。

気が付いた時からずっと、2人だった。

両親同士も古くからの友人同士で、僕達が仲良くなるのも時間は掛からなかった。


僕と彼女、お互いに最初は初めての友達だった


いつもどおり、ソファーに座り静かに優しい顔で本を読んでいる


「いつも、その本見てるけど、そんなに面白いの?」


何となく仲良くなりたかったんだと思う、僕は勇気を出して聞いてみたんだ

女の子が食い入るように見るその絵本にはロボットと男の子が仲良く手を繋いでいる絵が描いていた、とても嬉しそうでもあり泣きそうでもあり


「うん、一緒にみよう」


女の子は微笑んだ、それを見た僕は一瞬動けなくなりひと時も目を離したくなかった。


そこからは、僕が心で願った通り一気に仲良くなっていったんだ、家が近所だった事もあり、毎日のように会いに行ったそれが僕の日常の一部になっていった。


【少年期】


そんな僕らも中学生になり、まわりや自分達も異性に興味を持ち出して来たそれでも僕らの状況はいつもと変わらず続いていた。そんな状況が自分でも好きだった。


今日も学校帰りに彼女の家で二人でゲームをしていた。3人掛けのソファーに一緒に座り肩を寄せ合い満面の笑顔で互いを罵りあう、そんな状況。


ほぼ毎日見ている彼女は僕にもわかるくらい日に日に女性らしくなっていた。

だって、横目で学校帰りの格好のままスカートの裾からみえる太ももにドキッとする


少し感じる汗の匂いと清涼剤の匂いが、ふっと僕の顔の前をよぎるたびにどうしようも無い感覚になる、胸元だって昔は僕と変わらなかったのに今では、あふれそうになるほどだ。


少しばかりの罪悪感を持ちつつも平静を装う。


ただ今日はいつもと少しだけ違った、

「ねえ、キスってどんなかな?」

顔を赤くして僕に話しかけてきた、今日はなんか普段より静かだなと思ったら

僕も動揺を隠しきれないほど心臓がドキドキしながら平静を装い


「どうした?突然」


恥ずかしがりながら彼女は小声ではなす


「今日も友達が彼氏とキスをしたって、嬉しそうにしていたから」


お互い目を合わせ音の無い世界が広がる一瞬の永遠とも呼べる時間

僕は沈黙を破る


「僕と友達以上の関係になるのはどうかな?」


煮え切らない返答に彼女はすかさず


「付き合うって事でいいよね」


漢にとって情けない事この上ない、そんな事を感じた瞬間、


『やわらかい』この世のなによりそう感じた


唇に彼女の唇がふれた、そう彼女に唇を奪われたのだ


ただ心は奪われたわけではない、元々奪われていたのだから


高揚と安堵の気持ち、長年の思いが一緒に押し寄せる。

彼女もまた、同じ気持ちだったのではないだろうか、


ゲームコントローラーはお互い握ったまま、照れたようにお互い笑った。

これが始まり

登場人物 僕 彼女

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