〜小説に込めた思いを...。〜
執筆をするために今までの人生を振り返りながらイメージトレーニングを始めた。色々考えながら、悲しみで涙が出てきた。写真とかを漁るために姉の部屋に言った。姉の部屋に行ったら、机の上に僕が渡したノートがあった。
「やり残しノート・・・なんでここにあるの。」
そのノートを見たら、色々と書いてあった。
「これを見ているのかな?私はね、この病気が判明した時すごく怖くてどうしようと思ったんだ。いつも家族に冷たかった私は、自分を恨んでたんだ。それから、愛想よく返事してた。多分雅也も勘付いてたと思うんだよね。私と母の病気の話を盗み聞きした後にこのノートを渡した時に私はなんでこのタイミングと思ってた。けど、今感謝してる。このノートがなければ、今の文章書いてないもん。私はもっと生きたかったし、もっと仕事して、もっと苦労して、もっと楽しんで、もっと私の存在を知ってほしかった。私の人生ってなんだろって思った。短すぎる人生だったけど、楽しかった人生だったから、雅也には本当に感謝してる。そして、小説家になるって言ってたけど、私がこんなになって迷惑かけてごめんなさい。私がこの世に居なくなっても、無事に小説家になってることを願ってます。お元気で。それではさようなら。」
ともっと続いていた。色々書いてあったけど、最後になるにつれて文字が震えて涙を落としたのかノートがクシャクシャになっていた。泣いていた僕はもっと泣いていた。これを両親にも見せた。両親は泣いて、父親は読めないと言っていた。相当悲しくて、読みたくないのだろう。
この世界って何でこんなことが起こるのかなって思う。だって、すごくひどいことを思ってるのは分かってるが、何故姉じゃなきゃいけないのか。こんな僕の人生を小説にすることにしたが、この小説で賞を取る気はなかった。この小説に込めた思いを姉に読んでもらいたい。あの生きているときのように。