〜別れの日までの努力〜
僕はその話が信じられずに姉と母の会話に入りに行った。
「ねぇ....。その話嘘だよね?」
確か僕は相当声が震えていたと思う。ふざけられる雰囲気じゃないのも分かってた、嘘じゃないのも分かっていたが信じたくなかった。
「この状況を見て嘘だと思う?そんなわけないでしょ!」
姉は少し取り乱していた。多分一番自分が信じられてないんだと思う。僕だって、自分がそんなことになったら信じられない。
「長くないって...。どれくらい?」
「長くても3年短くて1年半ぐらいらしい....。」
その返答になんて返せばいいかわからなかった。(言葉が出ない)という言葉はこのために存在したのかと感じた。この話に関してはいつもうるさい母ですら、言葉が出ていなかった。
○
あれから数日たった。僕はネットで見つけたあることをすることにした。そのため姉に1つのノートを渡した。
「これ、ノート。そんな気分じゃないのは分かってるけど、やりたいことがあったらそのノートに書いて、何でも手伝うからさ...。」
姉はうなずくだけだった。僕が姉にできることは数少ない。けど、少しでも一緒に居てやれたらいいなと思った。だから、全力でやりたいことをやって楽しんでほしい。誰も苦しいことを考えて生きるのは嫌だろう。余命が迫ってきているのに苦しいことを考えるなという方が難しいかもしれないが...。