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集団転移にあった商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!  作者: 七転び早起き
夏希の腕試し編 ートバルの街ー
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天使カルレスとの邂逅

夏樹の願いに現れた天使カルレス。

その願いは叶えられるのか。

 全てを投げ捨てる覚悟の夏希。


 その思いは天使カルレスに通じるのか。


 夏希と天使カルレスは向かい合って座っている。

 時間が停止した空間で天使カルレスは机と椅子を虚空(こくう)から取り出したのであった。


「それでどうしたいの?」


(みんな)を助けて欲しい。代償は私の全てで構わない。お願いだ頼む」


 天使カルレスは机の上に出した紅茶を一口飲んだ後話し始めた。


「あのね。天使や神は命を奪う事は出来ないの。だから全てと言って命を差し出されても無理よ」


「なら何を差し出せばいいんだ?」


 カルレスは、夏希を見て微笑む。


「貴方、この世界に来て変わったわよね。そんなに感情を表に出す性格じゃあ無かった」


 その通りだ。私は元々は温厚な性格で口調も丁寧なほうであった。多分に社会の重圧から解放されたからだろう。そしてこの世界で出逢った人達との関係で。


「私はその貴方が素敵だと思うわ。天使が好むタイプに変わってきてるの」


「だから前にも言ったボーナスをあげてもよかったわ。今は駄目だけど。」


 どうゆう事だ?カルレスの言ってる意味が理解出来ない…


「まず助かるかどうかだけど助かる人もいる」


 その言葉に夏希は歓喜する。


「本当か!カルレス頼む。(みんな)を助けてくれ」


「んー、まずは今回の経緯を説明してあげるわ。貴方、全員消したから聞く相手居ないでしょ」


 カルレスは説明する。


 1.この森の街道で出没が確認されていた盗賊が犯人

 2.目的は金品のみ(人質はリスクが高い為敬遠した。)

 3.女性は(なぐさ)み物で捕える予定だったが抵抗が強く断念


 簡単に(まと)めすぎだが詳しい状況を聞く勇気はまだ無い。


 4.助かる可能性が高いのは、サラさん.ハザス夫婦.アンリちゃんの4人


 冒険者4人組はサラを残りの3人が(かば)い、夫婦はマドリさんと執事が(かば)い、アンリちゃんはメイドが(かば)っていたらしい。


「あと、助かると言ってもポーションじゃ無理よ。ほぼ死んでるから」


 4人は魂が不安定な状態らしい。マドリさんは年齢の関係でもう無理で、その他は代償が大きくなるそうだ。


「結局、代償は何を払えばいいんだ?」


「勿論、魂よ。4人は各1人分の魂で、あとの人は各2人分の魂が必要になるわ」


「それって死ぬ事とは違うのか?」


「死ぬわよ。当たり前じゃない」


 はぁ?意味わかんねーよ。命を奪う事は出来ないのでは無かったのか?


「貴方は今2つの魂を持ってる事になってるの。地球とこの世界のね。だから1つなら大丈夫死なないわ」


「ただ、この世界の魂は無理。地球の魂が代償になるわ。そうするともう地球に戻れなくなる。この世界で死んだらそれで終わりになるわね」


 そう言う事か!なら私の魂1つ差し出せばアンリちゃんは助かるんだな!地球に戻れなくても問題ない。この世界で生きると決めたからな。


「じゃあ、私の魂1つ差し出すからアンリちゃんを生き返らせてくれ」


「言ったじゃない。今の貴方は駄目だって」


「何故だ!訳が判らん」


「貴方、一度心が壊れたわ。今の貴方の魂はとても冷たくて真っ黒なの。そんな魂は代償とならないの」


 夏希は絶望に捕らわれる。


「じゃあ、アンリちゃんはもう助からないのか……」


「あるじゃない。まだ10個も綺麗な魂が」


 天使カルレスはそう言って微笑んだ。まるで悪魔のように……


 私は選択をする事になるだろう。苦悩の選択を。


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[一言] それはやっちゃ駄目な事だよ~
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