腕試しに街に向かう夏希(1)
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不定期に出店しているお店が忙しい夏希。
ラグと模擬戦をしてから一週間になる。前から考えていたが他の人とも模擬戦をしてみたい。街の冒険者ギルドに顔を出してみるか?
狩りから戻って今は夕食前だ。食後にラグと酒でも飲みながら相談してみよう。
楽しい食事も終わり、ラグと酒を酌み交わす。
「ラグ、私は街に行こうと思う」
「なんでまた急に。この村が嫌になったのか?」
「いや、そんなことはあり得ない。腕試しをしてみたくて冒険者ギルドに行ってみたい」
「そう言う事か。戻っては来るのだろう?」
「ああ、勿論そのつもりだ。長い間厄介になって悪いな」
「何言ってる。お前はもう家族だ。ここがお前の家だ。あっ!アンナを嫁にやるわけじゃないぞ」
ラグは笑いながら酒を注いでくれた。
「夏希さんはアンナだけで無く村の子供も助けてくれたわ。お店を開いたり狩りも手伝ってくれてるし、村の皆も夏希さんの事、もう村人と思ってるわよ」
流しで洗い物をしていたサーラさんはラグの隣に座って言葉を描けてくれた。
私はこの2人の言葉と優しさに心が震え涙が出そうになった。(私はなんて幸せなんだろう)
夏希は感動で声が出せない変わりに感謝の気持ちを込めて黙って2人に酒を注いだ。
2人もそれが判ったようで優しく微笑んでその酒を飲み干した。
「それでいつ村を出るんだ?街に行く定期馬車は来週だぞ。その馬車で行くか?」
「いや、歩いて行く。魔物とも戦いたい」
「歩きだと最低一週間は掛かるわ。1人で夜営は危険だし寝れないわよ」
「最近、盗賊の噂もある。馬車で行け」
「夜営は大丈夫だ。木の上で寝る。盗賊についてだが実はこれも目的の1つだ。私はまだ人を殺した事が無い」
ラグは黙って酒を酌み、飲み干す。
「サーラ、説得はムリだ。明日村にあるポーションをかき集めて夏希に渡しておけ」
サーラは私を見つめたまま諦めたようにラグに対して了解の意図で深く頷いた。
「すまん。無理を言って…明後日の朝、村を出る予定だ。日が昇る前に出るから見送りは不要だ」
「お前は強いが戦闘経験は浅い。魔物はいいが人との戦いは慎重にな。冷静さを保てよ」
「それと対人戦の時、躊躇だけはするなよ。命取りになる」
「判った。肝に銘じておく」
そう言って残った酒を飲み干し部屋に戻った。
夏希はベッドに横になって思う。
(ひとりでだいじょうぶかな~)
締まらない夏希であった。
幸せの為に動き始めた夏希。
忘れ物は大丈夫?
着替えは準備した?
おやつは300円までよ?
夜は怖くない?オシッコ1人で行ける?
「うるさいわい!また出たんかい!」
前書きに稀に出没する心配性野郎が後書きを侵食する。




