表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/171

幕間 私は聖女菜々9才

真奈美28の娘、菜々9才。初めての主演である。

 私は倉橋 菜々(なな)9才。小4の女の子。 


 1ヶ月前、天使によって異世界に舞い降りた。


 そう、これは私にとって神様のお導きなの。


 地球に居た頃の私は兄の部屋にあるラノベを隠れて読み漁り、その虜になったわ。


 特に聖女が登場する部分がお気に入りなの。


 病気の人には癒しを与え、貧しい人には施しを与える。また悪には勇者と共に戦う。


 そう、これが聖女!


 そして私はその存在になれるスキルがある!


 ここから私の聖女伝説が始まるの!


 菜々9才(聖女願望)は颯爽(さっそう)と街に繰り出した。


 街を歩いていると小さな男の子が1人泣いていた。


「どうしたの?お母さんは?」


「居なくなっちゃった…」


 これはいけない。子供が1人だけなんて危ないわ。


「 けっかい!!」


 男の子の周りに透明な膜が張り巡らされた。


「これでもう安心よ」


 そう言うと、菜々9才(聖女願望)はその場を後にした。


「ランド、ランド!な、なんなの?息子の周りになにかあって手が届かないわ。誰か助けて!」


 すぐ近くのお店で買い物していた母親が戻って叫んでいる。


 菜々9才(聖女願望)は街を颯爽(さっそう)と歩く。


 地面に(くぼ)みがあり、菜々9才(聖女願望)は転けた。この先には大きな水溜まりがある。


「 けっかい!!」


 自身に結界を張り私は守られた。


「バシャッ!」


「うおっ!冷てぇ!」


 近くを歩いていた男性に、菜々9才(聖女願望)が自身に張った結界で、弾かれた水しぶきがその男に盛大に掛かったのだ。


「大丈夫ですか?まぁ、体が水に濡れてる。このままでは風邪を引きますわ」


「 ちゆ!!」


「もう大丈夫ですわ。治癒魔法を掛けたから」


 そう言うと、菜々9才(聖女願望)はその場を後にした。


「いや、服が濡れてそのままだから意味無いよな?それに濡れたのもあの女の子のせいだよな?」


 菜々9才(聖女願望)は街を颯爽(さっそう)と歩く。


 道路の脇から急に犬が飛び出してきた。


「 けっかい!!」


 私のお股のほんのちょっと先に手の平サイズの結界が張られた。


「よかったわ。私のお股の聖域は守られたわ」


 そう言うと、菜々9才(聖女願望)はその場を後にした。


 どうも犬に驚いてちょびっとチビったみたいだ。


「今日も何人かの人助けが出来たわ。一歩ずつ聖女の道を歩むのよ」


 菜々9才(聖女願望)、彼女はちょっとドジでお茶目な聖女(仮免許中)であった。

倉橋菜々9才、あなたの聖女への道のりは果てしなく遠い。

頑張れ菜々ちゃん!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ