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戻ってきた勇者の学園生活  作者: 鏡花水月
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勉強会

 「さて、もうすぐ中間テストな訳だが明、自信は?」

「ない!」

この上なく自信たっぷりに言い放つ明。

ずっこける匠。

「全く匠も大変だな。あまり馬鹿に関わると馬鹿になるぞ?」

「馬鹿って言うな修平!」

明が修平と呼んだのは、クラス委員長も務める金子修平である。

オシャレなメガネが特徴のイケメンで、頭も良い。

匠は大体クラスでこの二人と一緒に三人でつるんでいることが多い。

「とはいえなあ。赤点取ったら不味いだろ」

「その点に関しては同意する」

「匠、修平! 俺が赤点取るみたいじゃねえか!」

「勝算があるのか?」

匠が明に聞く。

「ない!」

あまりにもはっきりした回答に二人はずっこける。

「修平、これは勉強会開いた方がいいな」

「同意する。匠の家で大丈夫か?」

「ああ。問題ない」

「勉強かあ・・・」

明がげんなりした顔になる。

その時教室のドアが開いた。

「匠いる?」

明日香だった。

「明日香か。何の用だ?」

「いや、もうすぐ中間テストじゃん。だから勉強教えてもらおうとおもってさ」

「それなら明や修平と勉強会開くけど来るか?」

「匠の家?」

「ああ、そうだ」

「んじゃ行く行く!」

そこでまた教室のドアが開いた。

『匠さん。ちょっといいですか?』

エリザベスだった。

『エリザベスか。どうした?』

『えっと勉強を教えてください』

『勉強会開くけど家来る?』

『はい。ぜひ!』

「匠、その子誰?」

明日香が匠に問いかける。

「ああ。明日香は初めて会うのか。エリザベス・ドイルさんだよ。

日本語が苦手だから英語でしゃべってたんだ」

「ふーん」

それを聞いて明日香が不機嫌になる。

「?。どうした明日香?」

「別に。その子も参加するの?」

「そうだ」

「そう・・・」

エリザベスを見て何かを考える明日香。

「明日香?」

「何でもない。日にちが決まったら教えて」

そう言って明日香は教室を去っていった。

『・・・・・・』

『エリザベス?』

『・・・日にちが決まったら教えて下さい』

そう言ってエリザベスも教室を去っていった。

匠達三人は顔を見合わせた。

「あの二人も参加か?」

修平が問う。

「ああ。そういうことだ」

ちょうどチャイムがなり、三人は席に戻った。


 そして勉強会の日。

「へえ。ここが匠の部屋か」

明日香が匠の部屋を見渡す。

「まあ、適当に座ってくれ」

匠は皆を座らせる。

「修平と話し合ったんだが、三人の弱い所を重点的に教えることにした」

「事前のテストの結果、原田さんが数学、エリザベスさんが国語、明は・・・全部だ」

修平が頭を抱える。

明のそれはよく入学出来たと思えるものだった。

明のテスト結果に匠も修平も頭を抱えた。

なにせ名前をローマ字で間違えているレベルである。

そして二人で話した結果、匠が明日香とエリザベスを。

修平が明をマンツーマンで教えることになった。

「それじゃ各自始めてくれ。どうしてもわからなければ、明日香とエリザベスは俺に。

明は修平に聞いてくれ。それじゃ始めよう」

こうして勉強会が開始された。

 

 それぞれ苦手科目の為か、手を止めつつ考える。

明に至っては、頭から煙が出そうな状態だ。

その間に匠と修平は自身の勉強を進めている。

この二人は全く問題なかった。

匠は賢さ999カンストであり、修平も頭が良いからである。

「匠。ここを教えて」

『匠さん。ここを教えて下さい』

明日香とエリザベスが同時に質問する。

「・・・・・・」

『・・・・・・』

二人の間に微妙な空気が流れる。

「どれどれ?」

匠は気付かずに二人の質問した部分を見る。

「明日香はこの公式を使って。エリザベスはこの部分をよく読んで」

それぞれ言われた通りにする二人。

それを見ていた明と修平は筆談する。

「修平。あの二人って匠のことどう思ってると思う?」

「恐らくだが憧れているのだろう。アイドルに会うファンのようにな」

「それって恋心一歩手前じゃねえか?」

「ああ。問題は匠が二人をただの友達だと思っていることだ」

「その辺鈍そうだもんな匠の奴」

「同意する。他にも姫達の動向も気になるがな」

筆談を終えた二人は揃って匠を見る。

その眼はそれだけ高い能力があるなら、もう少し女心を読めだった。

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