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LILY  作者: クロラ
4/19

1‐3


「………私、バンプオブチキンってバンドが好きなの。

その人たちの歌に『リリィ』ってあるの。

…だから、リリィ!!」



ケイタは呆れていた。


「リリィねぇ………で、本名は?」


「いえないわよ、家出してるのにうかつに人に名前をいえないわ」


リリィと名乗る女は偉そうに言った。

よく見ると、ケイタのパジャマをきていた。



ケイタは頭を抱えた。

「……あのねぇ…」


「ねぇ!

そんなことより、あなたはなんてゆうの?」

ケイタの話を軽く無視して、リリィは尋ねた。


「は?

……山岸ケイタだよ。」


それを聞くと彼女は少し考えはじめた。

それからいった。


「うーん、なんか普通すぎるよねー、

なんか覚えやすい言い方ないかなー………」



「……おまえな…」

ケイタが再びモップをかまえたとき、リリィはいきなり大声で

「あっ!」っといった。



「そうだ!

(ケイ)!Kにしましょうよ!

バンプオブチキンの歌にもあるし!」



ケイタ、いやKは唖然とした。


こうしてケイタはKになった。







・・・・・・

「……でも、誰もとまっていいだなんていってない!

早くかえってくれ」

Kはやけになっていった。


「あら、そんなこと言えるのも今のうちよ?」

するとリリィはニヤニヤしながらベッドに向かった。

それからベッドにあった銀色のカバンを持ってきた。


「これだけあれば足りる?」


そういってKの前でカバンをあけた。



「!?!?」



Kは驚いた。

そこには野口英夫……いや、もっと偉い福沢諭吉が書いてある札が束になって何枚もあった。


「ざっと500万、どう?」


リリィは相変わらずニマニマしている。



さすがにまじめなKも心が揺らいだ。


それからKは、1分くらい福沢諭吉とにらめっこをした。曲げてもないのにKには諭吉が笑っているようにみえた。


欲と理性の狭間をさまよって、Kは答えを出した。


「………だめだ。受け取れない」



それを聞いて、リリィは激しく驚いていた。


「なんで!?

こうしたらみんな泊めてくれたのに……なんで!?」

「気に入らないからさ、そーいうのが。」

Kはぶっきらぼうにいった。


すると突然、リリィがわめきだした。



「なんでー!!!

じゃあ何すればいい?

なんでもするから!!!」



それは夜のアパートではあまりにも騒がしすぎた。

Kもあわててリリィをとめた。



「まて!

わかったから!黙ってくれ!


…じゃあとまってはいいから。

ただし、金は受け取らない。

あとさわがないでくれ。」


そういうと、リリィは笑った。


「ありがとう!」


それは子供の笑顔だった。対照的に、Kは家計に悩む親の顔。




「……それより、それ俺のパジャマだよ」

Kが突っ込んだ。いくら泊まるとはいえ、こんな生意気な小娘にパジャマを貸したくはない。



「あ、そうか、ごめんなさいね。」


そういうと彼女は、Kの前でいきなり脱ぎはじめたのだ。


真っ白な肌があらわれ、豊かな膨らみが……

と、なる前にKは慌ててリリィをとめた。


「ばっ!ばか!ここで脱ぐな!

せめてかくせ!」

Kが注意した。



するとリリィは不思議そうに尋ねた。



「……え?なんで?」



「え?……」




そしてケイタは気付いた。


この子は常識知らずだということを。

BUMP OF CHICKEN…代表曲:天体観測、カルマ、オンリーロンリーグローリーなど。 個人的には「リリィ」「K」「アルエ」は最強だと思います。特に「リリィ」の歌詞はいい、この歌詞が本中のリリィのイメージに大きく反映してたりします(^-^)

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