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前の女子高生たちがこんなことを言っていた。
「夏ってなんか特別だよねー」
「ホント、なんかいつもとは何かが違うよねー」
「……そんなことないだろ。」
バスに揺られながらケイタはつぶやいた。
彼は今までの夏のことを考えてみた。
小学生のときは、みんなと同じように外で遊び、中学高校のときも、みんなと同じように部活をがんばった。
それといって素晴らしい成績をあげたわけではないし、うまかったわけではなかった。
ただ、みんなと同じような思い出ができた。
そして今。
ケイタはみんなと同じように就職活動をしているのだ。
ケイタは時計に目をやった。
22時28分。
そしてため息をついた。
彼はおとといから東京に行っていて、たったいま熊本に帰って来たのだ。
東京でいろんな会社へいってみたが、本当のことをいうと自分の行きたいところなんてないのだ。
ただみんなと同じような会社を選んでいるのだ。
「これでいいのかな?」
とケイタはたまに思う。
そしてこう思う。
「本当にやりたいことがあるのじゃないかな?」
今日のケイタもそんなことを考えていた。
そんなことをしていると、すぐに家の近くのバス停についた。
そしてケイタは家に向かっていった。
気付いたら家の前にいた。
このボロアパートの一階の一室がケイタの家だ。
ケイタは右手をポケットにいれて、左手にドアノブをもった。
すると異変に気付いた。
「あれ?鍵が開いてる…?」
ケイタは少し考えてみた。
三日前、確かに鍵をしめた。
しかし今開いている。
一瞬大家さんが入ったのかと思った。
でも大家さんは超めんどくさがりでそんなことをするわけがない。
「じゃあ誰が……
まさか……泥棒!?」
ケイタは少し冷や汗をかいていた。
そして、恐る恐るドアをゆっくりあけた。
家の中をのぞいてみると、荒らされた形跡はなかった。
ケイタはひとまず安心した。
しかしすぐに異変に気付いた。
「…?ラベンダーのかおりが……」
ケイタは中に入り、電気を付けようとしたが、いきなりやめた。
部屋の奧が光っていたのだ。
「まさか…誰かがいる?」
ケイタは近くにあったモップを持ち、恐る恐る部屋へ向かった。
部屋を覗いた。
人影はなかった。
ただ見知らぬキャンドルに火がついていた。
「なんだこれ……」
それでも、人がいないことに安心して、ケイタは電気をつけた。
「どうやら大丈夫……!?!?」
突然、ケイタは奇声を発した。
彼はベッドをみていた。
そこには見知らぬ女がいたのだ。
これは去年書いた自身にとって二作目の小説なのですが、文章とかすごく荒い(*_*) ……どうか多めに見てやってくださいm(__)m 毎日少しずつ連載します。