エピローグ
「……先輩!
山岸先輩!!」
「ん?」
ケイタは目をあけた。
そこにはうるさい後輩、太田みどりがいた。
「先輩、また徹夜で作業ですか?
体もちませんよ〜」
そういってみどりはケイタを殴った。
Kはすごくいたがった。
みどりがケイタの手帳に挟まった写真を指差していった。
「………あ、先輩!
これ彼女さんですか??
……先輩って、ロリコン…なんですか?」
ケイタは急いで開いてあった手帳を閉じた。
「ばかっ!違うよ!
この子は……特別な夏休みの思い出さ。」
ケイタはそんなことを言った。
「へぇー、先輩にもそーいうのあるんだ〜」
みどりはニマニマしながらいった。
うるさい、とちょっと照れ臭そうにケイタは答えた。
あの夏からもう6年たった。
ケイタはある企業で働いている。
海外の貧しい人たちを救うために、いろいろなことをする、いわゆるボランティア的ことをする団体である。
ケイタはそこで毎日一生懸命働いていた。
・・・・・・
「おーい集合!」
団体の代表さんが大声をだした。
みんなが同じ部屋に集まった。
「……なんの話があるの?」
ケイタはみどりに小さな声で尋ねた。
「なんか新入社員が入るんですって。
先輩研究ばっかで聞いてないでしょうけど。
なんか私たち薬剤班に入る超エリートらしいですよ。」
みどりがケイタの耳元でささやいた。
「(ながったらしい挨拶は略)……新入社員がはいることになった。
早速紹介しよう。
さぁ、入ってきて。」
誰かが部屋に入ってきた。
「あっ!!」
静かな部屋にケイタの声が響いた。
みんな一斉にケイタの方をむいた。
ケイタはただその入ってきた人をみていた。
黒くて、かなり短い髪型だけど、すぐにわかった。
「……紹介しよう。
大森ユリアくんだ。」
そう、リリィだった。
「こんにちは、大森ユリアです。
この仕事につくことを夢に今まで頑張ってきました。」
リリィは笑顔で話しだした。
ケイタも少し笑っていた。
目にはうっすらと涙がたまっていた。
「私のことは……
リリィってよんでください!
あの時みたいに…
ねっ?K?」
リリィはケイタに向かってウインクした。
みんな一斉にケイタの方をむいた。
ケイタはただ笑っていた。
ケイタはKになっていた。
ここまで読んでくれてありがとうございました! また次回作でお会いしましょう!!o(^-^)o