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LILY  作者: クロラ
17/19

3‐5

妄想はときに度を超えます(´〜`;) 今日か明日には完結します!



「K!!」

リリィは大声で叫んだ。


Kの太ももをみた。

おびただしい血が流れていた。



Kも意識が朦朧としていた。


リリィは電話をとった。

電話をかけようとしたとき、Kがリリィの手をつかんだ。

「今救急車がきたらまずいだろ……

お前がいったんだろ?電話するなって……」

Kは無理にわらってみせた。

リリィは目からまた涙があふれてきた。



「リリィ……そこの本棚の右から三番目の赤い背表紙の本をとってくれ」

リリィは急いで本をとった。


涙で本の題名は見えなかったが、赤い本であるのはわかった。



本を開くと、いろいろな応急措置の仕方がのっていた。

「その本の真ん中くらいに…、そう、そのページだ。

こんなときの怪我の応急措置がのってるから……

それにしたがってやるんだ。


まずはこの包丁を抜くんだ。

なるべく素早く……」


リリィはKに言われたとおりに動いた。



リリィは素早く包丁をぬいた。



「……あぁ!」



Kは叫びだした。


リリィは包丁をみた。


包丁は血に染まっていた。


リリィは怖くなって包丁を投げ捨てた。




「…K、抜いたよ、次は何をすればいいの……!?」


返事はなかった。


Kは失神していたのだ。




そして家のなかで動けるのはリリィ1人になってしまった。




「K!ねぇ、K!」


リリィはKの肩を揺さ振った。



反応はなかった。



リリィは焦った。


「どうしよう……」



それから本を見た。


それから本に書いてあるとおりに作業をした。



手がちまみれになった。

でもリリィは作業を続けた。



「Kだけはしなせちゃいけない………


Kは私の………私の…」


涙がたくさんあふれてきた。


それからリリィはしばらく1人でがんばった。




ガチャ




ドアがあいた。


リリィはびくっとしたが、作業の手をとめなかった。


誰かが入ってきた。


ハルカだった。



「………!?

どうしたの!?

ケイタ……ケイタ!?」


ハルカはすぐにケイタに駆け寄った。



ケイタはまだ意識を失っていた。



ハルカは部屋の隅に落ちている血だらけの包丁をみた。



「リリィ……?」

ハルカはリリィの方をむいた。


リリィは泣きながら必死に応急措置をしていた。




「私の……私のせいて………」

リリィの手が震えだした。


「ごめんなさい!ハルカさん!

私があんなことしたから………」

リリィがハルカの方をむいて話していると、ハルカはリリィの肩に手をやった。


それからリリィを抱き締めた。


「大丈夫。大丈夫だよ。私も手伝うから。

だから、もう泣いちゃだめよ」


「……うん。」


リリィは服の袖で涙を拭いてから言った。




そうして二人はKの手当てをした。




作業は深夜に及んだ。










・・・・・・・


Kは目を明けた。


ベッドの横で、床に座ったままの状態でリリィがねていた。

Kの左手をしっかり握っていた。



時計をみると朝の4時だった。



Kは体を起こそうとしたが、太ももがすごく痛くて起きれなかった。



「まだ動いちゃダメよ」


キッチンから声がした。

ハルカだった。



「包丁が果物用で小さかったからよかったものの…、

あなた明日一番に病院いきなさいよ」


ハルカがいった。

冷蔵庫にあるフルーツをきっていた。



Kは足を見た。


「……リリィがやったのか?」


「そうよ、私も手伝ったんだけど、ほとんどはリリィちゃん。」

ハルカはキッチンからフルーツの盛り合わせをもってきて、それをスプーンですくってKにあげた。




「リリィちゃん、つい一時間前までずっと看病してたんだから。

感謝しなさいよ」

うん、とKは答えた。


「…リリィちゃん、ホントに大好きみたいよ、

あんたのこと。」


「え?なんて?」

Kはハルカの方をむいた。


ハルカはスプーンでフルーツをすくい、Kにあげるふりをして自分で食べた。



「あっ……ばかっ、おまえおれにくわせろよ……」


「……あーあ、リリィちゃんじゃ勝ち目ないな……」


「は?何の話だ?」

Kはハルカの意味することを全く理解できないでいた。



「…いいの、この鈍感スケベロリコン野郎。

とにかくあんたは早く寝なさい、私も寝たいんだから」



そういってハルカはソファーに飛び込んだ。



二人とも、ものの数分でねてしまった。

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