3‐4
短いです、でも結構大変な場面(>_<)
「リリィ………?」
Kはリリィに近づこうとした。
「こないで!!」
リリィがさけんだ。
右手に持った包丁は今にも左手首にあたりそうだった。
「リリィ…何があったんだ?」
Kはリリィの目を見た。
うっすらと涙が見えた。
「……知っちゃったんでしょ?
私の過去を……
おじいちゃんのことも……」
リリィは悲しそうに言った。
Kは説得しようとした。
「リリィ!
あれは事故なんだ!
だからおまえのせいじゃ……」
「違う!
あれは……私せいよ!」
リリィは泣き喚きながらいった。
「私があんなこと言わなかったら……
そしたら……」
リリィは少しうつむいた。
Kはただリリィの目だけをみていた。
「リリィ、でもだからってお前が死ぬことはないんだ!
そんなもん早くすてろよ!」
Kはリリィに向かっていった。それでもリリィは包丁をはなさなかった。
むしろ余計に強く握っていた。
「K、私には生きる資格なんてないのよ…
そうよ!
私なんかが生きてるところでどうしようもないのよ!
このままいたって、あなたやハルカさんに迷惑かけるだけなのよ!
私なんか…」
リリィが大声でわめきだしたそのときだった。
バシッ!
リリィは後ろに倒れた。
リリィは頬にものすごい痛みを感じた。
Kがリリィの頬をグーで殴ったのだ。
「………」
リリィはいきなりのことで何もしゃべれなかった。
Kはリリィの目をみていった。
「ふざけるな…」
Kの目は充血していた。
「…簡単に死ぬだなんて言うなよ!
おまえが死んだら……
誰かが…少なくともおれが悲しむじゃないか。
おじいちゃんが死んだのはつらいかもしれない、
でも…死なないでくれよ!
俺がついてやるから!」
Kはリリィに向かって真剣に話した。
リリィはただ聞いていた。
「だから……」
Kが何か言おうとしたとき、リリィはKの異変に気付いた。
すると、Kがいきなり倒れこんだ。
Kは自分の太ももを見た。
そこにはさっきまでリリィが手に持っていた包丁が刺さっていた。