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閲覧数で考えると、連載より前回書いた短編「強すぎっ!!」のほうが人気があるという複雑な心境(笑)……そろそろ「強すぎっ!!」連載版始めよっかな??このまま人気なら考えます(^-^)
「………この子は?」
ケイタは何も知らないふりをして聞いた。
「この子は……うちの会社の娘……つまり、僕の妹です。」
男はすこし俯いていった。
ケイタはかなり驚いたが、冷静なふりをした。
「それで、その子がどうしたんですか?」
「……」
男は水を一口飲んでから話しだした。
「彼女の名前は大森ユリア。
名前のとおり、ユリが好きな女の子でした。
まぁ、ユリアはその花をリリィと呼んでたみたいですけど。」
「あぁ、なるほど……」
ケイタは一人で納得していた。相手は話を続ける。
「…で、彼女は小さい頃から祖父に可愛がられていて、祖父のやっていた研究室にしょっちゅういっていました。
あなたが入るはずだった研究室です。
中学生を卒業する頃にはユリアは立派な研究員になっていました。
多分研究でならあなた並み、もしくは上でした。
その代わり、研究以外の知識はありませんけどね。
祖父とユリアは数々の研究をし、たくさんの新薬を生み出しました。
祖父とユリアはうちの会社でナンバーワンの研究員でした。
でも去年、その研究室で爆発事故が起こったんです。
公にならないくらいの小さな爆発事故でしたが、我が社にはかなりの痛手でした。
なぜなら、その爆発で、祖父がなくなってしまったからです。
それから、ユリアは暗くなってしまいました。
ユリアは自分のせいだと思い込んでるみたいなんです。
そして先月……、彼女がいなくなったんです。」
男は暗い顔をした。
本当にショックだったようだ。
ケイタはリリィのことを言うか迷ったが、やめた。
「あいつのせいじゃないのに…」
ケイタは席をたち、一口水を飲んだ。
「見つかると、いいですね。」
そういってケイタはその場を後にした。
手には名刺とユリアの写真を持っていた。
・・・・・・
ケイタは家に帰った。
写真と名刺はカバンに隠しておいた。
家のドアをあけると、リリィが正座していた。
「おかえりなさい、K。
今日ね、Kに教えてもらったオムライス、うまくできたんだ!」
リリィはうれしそうにいった。
「おぉそうか!
じゃあ早速食べるか!」
Kも笑顔で答えた。
机の上にはちゃんとしたオムライスがあった。
キッチンもきれいに片付いていた。
家の中もピカピカになっていた。
一週間前ほどのリリィには考えられないほどの進歩だった。
二人は食事をした。
Kはオムライスをスプーンですくった。
リリィはそのスプーンの行方を見守っていた。
そして、食べた。
「……!?」
Kの眉がぴくっと動いた。
リリィは唾を飲んだ。
Kはつぶやくように言った。
「……おいしい。」
リリィは急に笑顔になった。
「えっ!?
今おいしいって言った?
言ったでしょ?」
目がきらきらしていた。
「あぁ、普通においしいよ。」
Kはわらってみせた。
「やったー!
ありがとう!K!」
リリィはうれしさのあまり、Kに抱きついてきた。
「ばかっ、そんなことしたら食べれないじゃないか!」
Kは笑いながらいった。
二人はまるで新婚の夫婦みたいだった。
こうして二人は夕食をとった。
・・・・・
「じゃあ風呂はいっとくよ、」
そういってKは風呂にいった。
リリィはしばらく音楽をきいていた。
「他のCDないかなぁ……
あ、そーいえば、KがCDかったっていってたな」
リリィはそうつぶやいてから、Kのカバンをあさりだした。
すると、何か薄っぺらいものが出てきた。
「…………!?!?」
リリィは驚いた。
それは、兄の名刺と、昔の自分の写真だった。
「まさか………
K、私の過去をしってしまったんじゃ………
おじいちゃんを殺してしまったことも……」
リリィは急に体が震えだした。
怖くなった。
「あの人には……Kには……知られなくなかったのに……
……せっかく好きな人ができたのに……」
リリィはあの時のことを思い出した。