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名前を、考えるのは難しい。
訪問する国は全部で5つ。
緑国
赤国
黄国
紫国
青国
すべてが黒国を囲む国だ。
偶然にも、全ての王族にクリスティーナと年齢が近い男子がいる。
クリスティーナは、その全ての国へ行くことに。
大変な行程だが、行かない国がでれば、角がたつ。
警備も大変だ。
基本は、船旅になるがそれぞれの王都に行くための警備の計画をたてなくてはならない。
近衛隊の隊長は、副隊長にそれぞれの国の事情に詳しいものをつけるように指示を出す他に
「姫を見失わない」ことを条件付けた。
これがなかなか難しかった。
「隊長。クリスティーナ様を見失わないって無理だろ」
副隊長ヒューズが困っていた。
「仕方ないだろう。クリスティーナ様が自ら行きたいとは言ってないしな。陛下が言ったんだし。まだ、治安が良い国ばかりなんだし計画はたてやすいだろ?」
隊長がため息をつきながら話しかける。
「そもそもあのバカ王太子がでてかなければクリスティーナ様だって、平和だったろうに」
彼女に同情する声は高い。
「申し訳ありません。私の為に余計な計画を立てさせてしまい。また、陛下が難しい注文をしてしまったようで」
突然、二人の背後から声が聞こえてきた。
「うわっ!クリスティーナ様。いつからそこに」
副隊長が飛び上がる。
「無理だろとヒューズ様がおっしゃったあたりからですわ」
(ほとんど最初からじゃねーか。さすが存在感うっすいわー)
副隊長ことヒューズが心の中で感心していると。
「ヒューズ様。今、存在感ないって考えましたでしょう?」
クリスティーナがため息をついた。
焦るヒューズ。
「いやっ、まぁ、その…はい。申し訳ありません」
「私が存在感がないことについては、申し訳なく思いますが、自分でもどうしようもないことですもの。あきらめてますわ。警備が大変になりそうなので、あらためてお願いにあがったのですが、やはり、難しいのですね。では、このようにお願いしますわ」
クリスティーナが告げた話しはかなり危険なものだった。
下手をすれば、国際問題になるのではというものだった。
隊長も表情が、固い。
「大丈夫よ。各国の国王には王子様方にはばれないように私からお話するから。存在感を逆手にとります。素の王子たちを見たいのです。将来我が国の国王になるのですから、人となりを見極めるには良い案だと思っています」
「しかし、警備が!」
ヒューズが慌てる。
「普通にしていてください。かえって邪魔です。」
クリスティーナは、平然と告げてでていった。
あれ?まだ旅立たない。