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プロローグ

「あれはまだ、私が小さい頃です。公園でガハナ達と遊んでいたとき、突然の光に目を瞑ったんです。それで眩しくなくなったので、目を開けると目の前にケイスがいたんですよ。周りの皆は大慌てでしてね」

「なんか、あんまり長くならなさそうですね」

「そうだな」

「私は、長くなっても構わないのですが」


上音と刻守それからココは、こそこそと会話をするがタリアは気付かずそのまま続ける。


「それからケイスの城に案内されて、食事をご馳走になったさいに、私を除いた皆は、リグールの実を食べてしまったんです。それから徐々に私達と同じ様に沢山の妖怪、悪魔がここに連れてこられて、食事をして繰られての繰り返しで、今に至るまで数を増やしながらケイスの操り人形をしていたと言うわけです」


タリアは語り終わったのかそこはかとなくやりきった顔をしていた。


「質問良いですか?」

「どうぞカミネさん」

「なんでタリアは洗脳が解けたの?」


タリアは上音の質問に答えようか悩むも答えることにした。


「そのですね、私そもそもリグールの実を食べてないんですよね。ガハナが美味しそうに食べていたので、ガハナに上げました」

「そうなんだ」

「はい」

「……終わり?」

「終わりです」


上音はタリアの言葉の返しに、なんとも言えず、返答するもタリアの言葉に会話が終わる。


「それじゃあ次に俺から、どうやってケイスに操られたふりを?」

「ケイスは、皆の前で口にしました。これから光を纏った人が来るそいつらを私の前に連れてこい。とそしたら皆あの村に移動し初めて突然、獣人じゅうじんの姿になっていろんな役を初めて、最初に来た人とのやり取りを影から見てたらガハナが誰もいないのに、いない誰かに話しかけてて、そこで私はその役だと知ったんですよね。其れからケイスにばれないよう行動してたんですよ。そして三人目で貴方が来て、一悶着あって今に至る訳です」

「成る程な。まぁ此所に居てもしょうがないし出るか」

タリアの言葉に上音とココは黙って聞いていた。刻守は納得したのか立ち上がりドアの方に歩き始める。

「信じてくれるんですか?」

「あ?信じるもなにも、嘘なら斬って逃げるだけだよ」


刻守はドアの方に向いたまま話しながらドアノブに手をかける。


「あんなこと言ってますが、隼人はやと様はツンデレなだけですので気にしないで下さい」


ココの一言で周りの空気が凍る。上音とタリアは


((このタイミングでその発言は不味いんじゃ))


と心の中で思った。


「余計なことを言うな」

「失礼致しました」


そのまま刻守は部屋を出る。あとに続いてココそしてタリア、上音の順に部屋を出る。


「其れで何処が出口だ?」

「格好つけて出たのに分からないんですね。こっちです」


刻守の発言にタリアが答える。

四人がケイスの城から出ると出口の前にガハナ達が立っていた。刻守はココを近くに来るよう手招きをする。


「ケイスに操られたとは言えお前たちに危害を加えてしまった。申し訳ない」

「どういうつもりだ?」


ガハナの言葉に刻守が反応する。


「頭に強い衝撃が走って、俺達の頭の中に有った。分厚い雲の様なものが晴れてどうして此所にいるのか、今までなにをしてきか、全て思い出してケイスに会いにここに来たらお前達が出てきたんだ」

「そうか、それで?俺達をどうする?」


ガハナの言葉に刻守は、ガハナ達がまだ操られてるんじゃないかと疑いをかけていた。


「そうだったんですか、良かったですねケイスの、呪い?が解けてこれで自分のいた世界に帰れますね」

しかし上音の場違いな発言に周りの者達は上音を見る。

「カミネ、俺の話しを信じてくれるのか?」

「え、嘘?また騙された?」

「嘘ではないし騙してないが、その男の言うように疑うのが普通だと思うぞ?」


上音とガハナの言葉のやり取りに上音とガハナ以外の皆が、うんうんと頷く。


「上音君、君は彼等に騙されてたんだぞ」


刻守は上音に言い聞かせるように言う。


「でも、ほら俺は無事ですよ?だから大丈夫です。其れに少し忘れてましたが俺、不老不死なので更に大丈夫です」

「分かった。もうなにも言わん」


上音の言葉に刻守はため息を吐き呆れる。


「だが、お前達に言っておくけどケイスはいないぞ」


刻守はガハナ達を見据えて言葉を発する。


「そうか、そしたら俺達は自分の世界に帰れないのか」


刻守の言葉にガハナの後ろの妖怪か悪魔の誰かが呟き周りの空気が重く暗くなる。


「俺、ほっとけないです。なんとかしたいんですが刻守さんは、なにか知らないですか?」

「助ける義理は無いし俺達には関係ないことだ」


上音は刻守ならなにか知ってるんじゃないかと聞くも断られる。


「一つだけ皆様がこの世界から出る方法がございます」


ココの言葉に周りがココに視線を向ける。


「ココ、それは流石に無理だし危険だ」


刻守だけがココの言葉に反対をする。


「ですがこれが一番確実かと」

「下手すれば上音君が危ないのにか?」

「え!俺が危ないの!」


ココと刻守の会話に上音が驚く。


「はい、失敗しようと成功しようとが肉体にかなりの負担がかかります。」

「ゴメン、よくわかんない」

「説明させていただきます。転移装置を多人数で移動する際、転移装置の持ち主の体の一部に触れていることです。ただし、三人以上の転移は上音様の体に超えた人数分の負担が掛かります」

「因みに、其れはどうやって知ったの?」

「名前は伏せさせてもらうが、俺の前にある参加者の男が現れてな約20人の奴隷と共にな、だがそいつを包む光が消えたとたんそいつは倒れてそのまま」

「し、死んだんですか?」


ココと刻守の話しに恐る恐る上音は聞く。


「いや、生きているし今は俺の仲間の一人だ」

「そ、そうだったんですか。仲間?」

「あー、それは後でな。そのままなのもあれだし、そいつの奴隷どもから助けてほしいってお願いされてな」

「へー、そうだったんですね。それでどうして仲間に?」

「なんか話してたら良いやつだったから」

「そ、そうですか。20人も連れて転移ですか……でもさすがにこの人数は無理ですね」


上音はガハナ達に目を向ける。そこには明らかに100を超える数があり諦める。


「私に考えがあります!」

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