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第十一話 ギルドカード!ゲットだぜ!


新しい朝がきた〜希望の朝〜かどうかは置いといて、ルクスヴェルグに着いて二日目になった。





手早く着替える。

今日のファッションは黒のシックなワンピースだ。七分の袖口がヒラヒラしている。



例のローブを持って、顔を洗う為に宿屋の裏の井戸に向かう。




今日は二の鐘がなった後、ギルドカードを受け取り次第、キルスと合流する事になっている。

商人ギルドの前まで向かえに来てくれるそうだ。




あ、井戸行く前にトイレに入っとこ。





無事トイレを済ませ、井戸に着いた。



この井戸は宿屋の人達全員が使う為か、出口の近くにタオルが積み重なっている。

ご自由に使って下さい。のサービスだ。




井戸から水を汲み上げ、桶に水を移し変える。


結構な重労働だ。




つ、疲れる。井戸なんて使った事ないからな〜。

あの家も水の魔石様のお陰で、楽だったからなぁ・・・って、魔石持ってんじゃん!





今更気付いたが、後の祭りである。

今日の所は井戸水を使おう。折角汲んだし。


よし、My桶を買おう。




井戸の水は目が冴える冷たさだった。









この宿屋は確か朝食が着いている。

宿屋の食堂らしき所に向かうと、すでに女将さんが忙しく動いていた。




『おはようございます。』



『あら!おはよう!朝ごはんにするかい?』




私がお願いします。と言うと、すぐ持ってくるからね!と言って、女将さんは奥の部屋に入って行った。




とりあえず座って待つ。




この食堂っぽい所には、大きめのテーブルが2つにイスが8つある。

食堂と言うより、少し広めのリビングと言う感じだ。

テレビなんてものは勿論無い。





『はいよ!お待たせ!簡単なものしかないけど、食べとくれ!』



『ありがとうございます。いただきます。』




パンは3つまでお代わり自由だよー!と言って去って行った。忙しいらしい。




女将さんが持って来たのは、丸いパン1つと、野菜のスープだ。





ああ、パンに塗るものが欲しい。

ジャム・・・は、なさそうだ。砂糖が高いんだっけ。

バターとか、マーガリンとか無いんだろうか。





なんて事を思いながらパンをもさもさ食べた。







さて、二の鐘迄まだ時間が有りそうだ。



お店は一の鐘が鳴る時に開くらしいので、色んな店を見回るのも良いだろう。

そう言えば、服の洗濯もしたい。




『あの、女将さん。服を洗濯したいんですけど、裏の井戸って使って良いんですか?』



『良いよ。どんどん使っとくれ!何なら鉄貨3枚で洗う事も出来るからね!

あと、貴族街の近くにも、洗濯屋があるけど、向こうはかなり高いからね。』




庶民は使わないんだよ。と言う事らしい。




おばちゃんが洗濯してくれるのか〜お金は少しかかるけど、楽だな〜。

よし、必要経費だね!




『じゃあ、洗濯お願いしても良いですか?』



『任せとくれ!』




私は女将さんに鉄貨3枚と洗濯物を渡した。勿論下着も洗ってくれるらしい。

さすがに下着は自分でしようと思ったが、ついでだから気にしなくて良い、干すところも自分のと同じ所にするから大丈夫だ、と言われた。


なんかすみません。





そんなこんなで、私は宿を後にした。










◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







商業区は今日も賑わっている。




そうだ、とりあえず桶を買いに行こう!




まず買う物として、桶はどうかと思うが、必要なものである。




場所がわからないので、目の前の果物屋のおじさんに聞いてみる事にした。





『おう、いらっしゃい!』



色とりどりの、みずみずしい果物達に目が行く。




一際目を惹くのが、真っ青な果物だ。




『あのー・・・これは?』



『おう!お嬢さんイチベリー見んの初めてか?コイツはスゲー甘いぞ!ほら、ひとつ味見させてやる!』



おじさんは味見用にひとつ、布で拭いてくれた。




手のひらに乗るくらいのそれは、とても青い。

本当に食えるのか?ってくらいだ。




鑑定!





イチベリー:とても甘い果物。料理に使う時、砂糖が必要無いくらい甘い。

薬の材料にもなる。





食べれる様だ。




『じゃあ、いただきまーす。


甘っ!!!』




おじさんはそうだろ、そうだろ、と笑っている。




色はともかく、かなりの甘さだ。なかなか旨い。


糖分が乏しいこの世界の救世主ではないだろうか。色はヤバいけど。



これでジャムとか作れるんじゃないだろうか。

薬の材料になるみたいだし、ちょっと買って行こうかなー保存は収納術があるから、気にしなくて良いし。


こう言うのを衝動買いと言うんだろうか。



『おじさん、これひとつ幾らですか?』


『ひとつ鉄貨7枚だ。』




この世界の果物にしては高めじゃないかな?



まぁ、良いや!



『じゃあ10個下さい!』



『おお!お嬢さん太っ腹だねぇ!よっしゃ!ひとつオマケだ!』




太っ腹なのはおっさんの方だよ。




私はお金を払い、イチベリーを受け取るとその場を後にした。桶屋の場所も忘れずに聞いた。






桶屋は果物屋から割りと近い場所にあった。

多種多様の桶が売っている。これいつ使うの?と言うやつもだ。



『あら、いらっしゃいませ。お嬢さん桶を買いに来たの?』




桶屋の店主は可愛いおばあちゃんだった。




『はい。顔を洗うのに使ったりする大きさのを探してるんです。』




『あらあら、それじゃあコレなんかはどうかしら?とっても可愛いと思うのだけど。』





おばあちゃんにオススメされたのは、色んな動物の絵が描いてあるものだった。




『いやー・・・もう少し落ち着いた模様がよいかナー。』




『そうねぇ。それじゃあ、こっちのはどうかしら?』





次に薦められたのは、ドピンクの桶だった。



『もーちょっと淡い色のが良いナー。』



『そうねぇ。』





それから次々薦められたがどれも、色がドぎついものや、変なガラのものばかりだった。




ふつーのは無いんかい!!!




『そうねぇ、後は普通のしかないんだけど。』



『それで良いです!それ下さい!』




やっとこさ、My桶を手に入れた。

二の鐘は既に鳴っていた。









◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






走って商人ギルドに向かうと、既にキルスは待っていた。



『あ、ユーリ。なんでそっちから来るの?寝坊?』



『ごめん!キルス!もうちょっと待っててくれる?』




キルスは、うん。着いてく。と言って着いて来た。


本当にごめん!







私はギルド受付窓口と言う所に向かった。

幸い、誰も並んでいない。




『すみません。昨日ギルド登録した、ユーリ・カワシマです。ギルドカードを受け取りに来ました。』



『畏まりました。では、こちらに触れて下さい。』





また、例の水晶に触れる。





『はい。確認できました。

ユーリ・カワシマ様ご本人ですね。

では、こちらがギルドカードに成ります。』





私は受付のお姉さんに、緑色のカードを渡された。


カードを見てみる。





ユーリ・カワシマ (17)

所属:商人ギルド





ん?







『あの、この名前の隣のは?』



『こちらは、年齢の欄になります。』



『ね!? 』




年齢!?17歳になってるけど!?



『ご安心下さい。こちらは身体を巡る魔力で表されます。

ひとつ歳をとる毎に変化致しますので、偽りは御座いません。』




あ、それなら安心。じゃなくて!

私17歳になってんだけど!?良いの!?

35歳のオバハンが17歳名乗っても!?

喜んで17歳になっちゃうよ!?



『ユーリ?どうかした?』



あまりにも挙動不審だったのか、キルスが話かけてきた。



『いや、何でもないよ?そう、私は17歳だからね!』



キルスも受付のお姉さんも、首をかしげる。

頭には?マークでも浮かんでいそうだ。




『?以上で受け渡しを完了します。なお、更新の際は更新窓口へお願いします。

質問はございますか?』



『特にありません。ありがとうございました。』




お礼を言い頭を下げると、お姉さんは少し驚いた様な顔をした後、笑顔を見せてくれた。



『また、お越し下さい。』





美人が笑うと華やかで良いな。うん。







『さて、ギルドカードも手に入れたし、早速採取に行きますか!

キルス、それで良い?』




キルスはこくり、と頷いた。



『採取するなら、北門から、出るのが良いと思う。』



じゃあ、北門から出ますか、と言う事にした。




















◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





採取は順調だった。


キルスがたまに、走り回る植物や、猛毒のものを持って来る意外は。




『ユーリ、すごい。どうして本物が解るの?』



それはね、鑑定眼と言うスキルがあるからだよ。お兄さん。



『まぁ、慣れ、かな?』




キルスは尊敬の眼差しで、すごいすごい言っている。


なんだろ、心苦しいよ。






『こんなくらいで良いかな?』



『もう終わり?』



『採取はね。ここである程度作ろうかと思って。』




ここで作る?とキルスは首をかしげている。


まぁ、見てなさい。私のお薬製造能力を。






材料を並べ、手をかざす。



創りたいものを思い浮かべる。




光が集まりだした。













小回復薬100個、中回復薬50個、水の魔石100個、火の魔石100個、毒消し100個に麻痺治し50個、ついでに、粗塩100個作った。




これだけ大量に作ったおかげか、新しく、雷の魔石、氷の魔石、解呪薬、火炎弾、氷河弾、そして蜂蜜のレシピを閃いた。

蜂蜜キター!!!






さすがに疲れたが、見てるだけのキルスはもっと苦痛だっただろう。




『ユーリ、すごい。』




苦痛ではなかったみたいだ。

憧れの眼差しで私を見ている。



『キルス、ごめんね。付き合わせて。

これ今日のお礼。』




私は出来上がったものを5つずつキルスにあげた。

タダでここまで付き合わせてしまった、ほんの心ばかりのお礼だ。




『良いの?』



『良いの、良いの!受けとって!』





ありがとう、とキルスは嬉しそうに受けとっていた。

粗塩が1番嬉しそうだった。・・・なんだかな。






と、ここまでは順調だったのだ。





『じゃあ、そろそろ帰ろっか?』


『ん。・・・っ!』





突然キルスの様子が変わった。

腰の剣に手を駆けている。





『ど、どうしたの!?』


『ごめん、囲まれた。』




囲まれた!?







ブンブンと、羽音が聴こえる。



いつの間にか、私達の周りには虫の魔物が集まっていた。





『ここ、キラーホーネットが出るんだった。』




『先に言え!!!』




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