プロローグ
文字数は他作品より少なめだと思いますが温かい目でみてやってください。
「このモンスター思った以上に余裕でした。確か『メルドラム』でしたっけ?こいつの名前?」
全長40mを超える大型モンスターの死骸を前にして、眼帯を付けた少女は矢を握った右手を口元に当て、首をかしげる。
「メルドラムであってるわよ。牡丹ちゃん。
口から強力な胃酸を吐いて攻撃してくる非常に危険なモンスターなのだけれど、私たちには弘明君がいたから問題なかったわね。」
自身の身長よりも大きな薙刀を持つ女性は、周りにいる仲間に微笑みかける。
「もちろんですよ、響副会長!みんなを敵の脅威から守る。それがヒーローってもんですから!!」
鋼の鎧を身に纏った青年は右手を前で握り自信満々に宣言する。
「なんでもかんでもヒーローと結びつけるのもどうかと思うんだけど………。メルドラムって、巨大な蛇が進化したモンスターなのよね。私、蛇みたいに長くてうねうねした生き物苦手なのよ。」
腰に一本の長刀と二本の短刀を差した少女が身震いしながら嘆く。
「蛇がダメな人って泥鰌とか鰻もダメって聞いたことがあるんですけど、蘭さんはどうですか?」
左手に広辞苑よりも分厚い一冊の本を抱えた青年は、隣で震える少女に問いかける。
「お前ら、くだらない話は後でしろ。」
巨大な剣を背負った顔に切り傷がある青年は、緊張感のない仲間に喝を入れる。
「ギルドにクエスト成功の報告してさっさと帰ろうぜ。現実世界に。」