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知らなかったことにする為に

淹れたてのコーヒーの香りに酔う

良い香りは窓際の風という

新しい風味と味わうから良いらしい

黒い液体を見ながら

腹底がぐるぐると回り

脳が気持ち悪さを感じている

気にしなければ気にならないが

一度、気になってしまえば

外の方が良いかもしれないと

抱え込んで玄関戸を開ける

煙草の煙が家中へ引き込まれ

冬の風と春の風が混ざった

微かな存在の風が全身を撫でる

一息、終わりと始まり

網戸だけにすると

テーブルで湯気の弱くなったコーヒーを飲む

くだらないテレビ番組は

天気予報というメインの為に

雑音を流しているが

そんなことはどうでも良くて

一昨日買った本を開く

中古本を中古本と呼ぶか

知らなかった本と呼ぶか

好き勝手に考えながら

表紙を読んでいくが

皆目見当もつかない

数十行の前書きを読んでいくが

コーヒーのおかわりに切り替わり

一口、意味の無い呼吸を置く

本当に意味は無く

埋没する前の準備なだけである

煙草を取り出して火を付け

一番後ろのページに並ぶシリーズへ

目をやってみる

「今日の天気は

降水確率10%

若干、雲が多い1日となるでしょう」

聞き取った後

追加の音声を遮断する

ゆっくり埋まれるだろう

集中力を小分けにしたら

読み終わるだろうか

少しだけ天井を見てから

数百ページの中へと消えることにした

スマートフォンのアラームはオフ

少しの間だけ

知らなかったことにする為に



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