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やっと通れるほど開いたところへ吸血鬼たちが現れた。
問答無用でちよが突進する。
かる〜いジャンプで先頭の吸血鬼の顔面を斬り裂く。
声を上げる間もなく炎に包まれて消えていく。
そのまま2人目をジグズナイフの餌食にするつもりだったがほんの数ミリの差で避けられた。
着地と同時に反転するつもりだったが他の吸血鬼から蹴り上げられた。
反応が速い。
戦い慣れている。
軍属だ。
こんな程度ではちよとしてはど〜ってことはないがちょっとマズいなと思う光景を見た。
シャッターの下をくぐり抜けて月読が外に出た。
それを追って複数の吸血鬼もシャッターをくぐった。
ちよはすぐ後を追いたいが、まず目の前にいるこいつらを始末してからになる。
瞬時に見て3人。
本来はやりたくないが仕方ない。
急いでいる。
右手のジグズナイフを吸血鬼に向かって投げた。
ちょうどシャッターをくぐろうとしていた吸血鬼の背中に命中っと。
あと2人。
月読は後ろに振り返って連射。
相手は吸血鬼。
人間の足で逃げられるはずがない。
敵に背中を見せるより攻撃するほうがベストだと判断した。
だがこの判断は間違いだった。
最強の吸血鬼でありながら最弱の吸血鬼でもある。
まさに今がその時。
至近距離での撃ち合いになったのはすぐだった。
しかも1対複数。
月読はハンドガン。
対吸血鬼用の弾丸を使ってるので1発でも当たればと有利な条件はある。
吸血鬼たちはアサルトライフル。
実戦になってみると圧倒的に不利になったのが月読。
相手が多すぎる。
1人は倒せた。
その代償として他の吸血鬼が連射してきた弾丸が左腕に当たり左の太ももも被弾した。
それで機動力も戦闘力も大幅にダウンした。
あとは寄ってたかって3人、4人、5人から集中砲火。
月読は突然に目の前がまっ暗になった。
考えることができなくなった。
指1本動かせない。
銃声が止まった。
ちよが残り2人をジグズナイフで斬り殺して建物の外に出た時、月読が路上に倒れたところだった。
銃撃が止まった。
急に静かになった。
それほど銃の音はうるさい。
月読の全身がボッと青白いような炎に包まれた。
一瞬で燃え尽きた。
月読は絶命した。
ちよは約束を守らなければならなくなった。
何年も前から取り決めていたことがある。
月読が亡くなった場合は敵討ちなどせずに時雨とつぐみの元へ戻ること。
これは眷属としてマスターの言葉は絶対になる。
ちよは月読が亡くなったと認識したと同時に全力疾走に移った。
ちよの音速を超えるスピードには吸血鬼たちは誰1人として追ってこれるはずがない。
電車に乗るよりもこのスピードなら立川まで走って帰れるなとさらに加速した。
時速3,300キロ以上、マッハ3を超えているのでちよが通ったあとにはソニックブーム(衝撃波)が巻き起こって普通車なんかがひっくり返っている。
立川までなら5分もかからずに戻れることになる。
そして1時間ほどなら全力疾走できるだけの持久力もある。




