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あっ、そうだと思いついた月読はスマホを取り出した。
この施設の動画撮影を始める。
こうやって記録しておけばあとで詳細がわかるかもしれない。
何事も記録しておくことは大切だ。
ちよもスマホを取り出して撮影を始めた。
半分は月読の真似をしている。
半分は記録だ。
あとでつぐみに見せることで解析されるだろうと思ってのことだ。
ここにいた眷属たちは全員が惨殺されている。
人間たちもいるのだが生きてるのか死んでるのかがはっきりしない。
だだっ広い空間に数十人の人間が保管されている。
工場というよりもSF映画なんかでよく見ることがある冬眠カプセルのような光景だ。
最近ちよが見た映画でこれと似たようなのを見たばかりだった。
ジェニファー・ローレンスという女優が出ているパッセンジャーって外国の映画。
2人は念のために建物内の隅々まで撮影していった。
あとでなにか重要なものを発見できるかもしれないからだ。
そうこうしてるうちにちよが気がついた。
「キャプテン、マズい。
吸血鬼が来る。
戻ってきたのかも」
しまった、長居しすぎたと月読は慌てた。
スマホはしまってベレッタM93Rを手にする。
ちよも素早くスマホを可愛らしいショルダーバッグにしまって腰の後ろから物騒なジグズナイフに持ち換える。
「何人くらい来る?」
「はっきりしないけどたくさん。
正面ドアから」
「マズいな。
裏口から出られないかな?」
月読とちよは正面ドアの正反対の方向に駆けていく。
こういったスーパーの作りなら商品搬入のためのスペースがあるはず。
そこから外に出て逃げるのが得策。
ここで争ってもいいことはない。
あった、あれだ。
ここまで来るのにちょっと時間がかかった。
何人いるのかわからない吸血鬼たちはまだ月読たちの存在に気づいてない。
ちよが気配を消しているからだ。
その代償として能力としては半分以下になっている。
すぐ出られない。
ドアだと思ってやってきたが大型シャッター。
その並びにひと1人通れるだけのドアはあるのだがいろんな物を置きすぎていて出入りができない状態。
かすかにドアの上部だけが見えている。
ここから脱出するためにはシャッターを開けなければならない。
考えてる時間はない。
月読はシャッターの操作スイッチを見つけた。
電動シャッターのすぐ横に取りつけられている。
迷わずオンを押す。
良かった、動く。
ただしギイィィって音がでかい。
予想外だったがすでに手遅れ。
これじゃ気づかれてしまう。
1秒が長く感じる。




