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月読の推理はあたっている。
10人の吸血鬼は黄河の宮廷のメンバー。
もともと反発しあっていた2つの組織。
先に手を出してきたのはカッツエ委員会だ。
黄河の宮廷は日本という国とある特別な契約をしている。
無期懲役で服役中の犯罪者の引き渡しだ。
どうせ重犯罪者でまともな人間ではない。
そんな連中を生かして収監していても費用がかかるだけ。
死ぬまで刑は続く。
国としては吸血鬼が引き取ってくれるのなら厄介払いができると考えての取り引きだ。
タダでもよいのだけど1人あたり50万円も払ってくれるということで法務大臣としては即決で契約。
吸血鬼の言い値で即決。
他の刑務所に移動させるといった名目で書類上は成立。
あとはうやむやにしておけばよいだけのこと。
無期懲役受刑者がいなくなっても騒ぐ者もいない。
家族がいたとしても獄中死ということにでもしておけばよい。
無期懲役なので死んでも刑務所の外には出せないと説明すればそれで終わってしまう。
黄河の宮廷は一般の人間には手を出すことはない。
血液採取の方法としてはこういったことも密かに行っている。
その無期懲役受刑者たちを移送させている時に6名の受刑者をさらわれた。
移送を担当していた眷属の3人の中で1人だけが逃げ帰ってきた。
カッツエ委員会の襲撃にあったと言う。
なにかにつけカッツエ委員会の吸血鬼どもは仕掛けてくる。
こういうことがきっかけになり世界的な全面戦争に発展してしまう可能性がある。
武力衝突になれば黄河の宮廷側の分が悪い。
圧倒的に人数が少ない。
それに加えて個々の攻撃力の差も大きい。
なにか良からぬ方法で戦闘力を高めているようだ。
それでも今回は本当に頭にきているので関係当事者たちによる殴り込みをかけることになった。
こんな事情があることは月読もちよも知らない。
これまでの経緯もあった。
カッツエ委員会のあまりにも傍若無人ぶりには辟易していた。
それで今回の事件。
上の者が止めるのを振り切ってここまでやってきた。
我慢するのにも限界がきた。
はらわた煮えくり返ってる10人の吸血鬼たちは力まかせに正面突破した。
この時、内部にいたカッツエ委員会の吸血鬼は眷属のみで男女で8名。
しかも非戦闘員。
突然の襲撃者に対して思うように有効な対処ができない。
戦闘チームが戻ってくるまでなんとか持ちこたえようと抵抗はしたが無駄に終わった。
「これがそうか···」




