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吸血鬼側の研究者の中では面白い仮説をたてた者がいた。
吸血鬼はなぜ人間の血液を飲まなければ生きていけないのか?
この問いに対しての仮説だ。
吸血鬼全員が非常に興味を示した。
その研究者はまず手始めに猫や犬の血液を飲むことから始めた。
まったく効果なし。
空腹、飢えの足しにもならなかった。
その後は可能な限り様々な動物の血液を飲んで試していった。
すべてダメだった。
結論としては吸血鬼にとって唯一の食料源は人間の血液だけということになった。
なぜなんだろう?
永遠の研究テーマになって現在も継続中。
人口血液が作れないかということも研究と開発が行われている。
今のところ成功例はない。
そしてひとつの仮説を立てることになった。
この地球上では人間と吸血鬼だけが異質の存在。
他の生物とは違って特別で特殊な繁栄の仕方をしている。
他の生物全体の殺生与奪を握っているのが人間ということになる。
吸血鬼にとっては他の生物に対しての関心が薄い。
そこで研究者が考えた仮説としては人間はこの惑星以外の外宇宙からやってきたのではないかということだ。
その子孫が人間と吸血鬼に枝分かれしていったのではないか?
そういう考えがなければ吸血鬼が人間の血液に固執する理由がわからない。
かなり突飛な仮説ではあるが一考する価値があるものだと考えている。
調べれば調べるほど謎も大きくなっていく。