2-5
ポ〜ンっと宙に飛んだ。
思いのほか身のこなしが軽い。
そして本当にボール状になって月読に向かってくる。
月読はかる〜く左にステップして避けた。
すると血獣は追従してきた。
まさかの動きに不覚にもトゲが刺さってしまった。
左半身に対してザックザクだ。
痛い。
とんでもない再生能力があっても刺されれば痛い。
それが2秒ほど。
痛みも出血もすぐに治まるが痛いものは痛い。
油断した。
体に反して短めの手足を使ったりして予想外の動きをするヤツだった。
地面に倒されてしまった。
その上をゴロゴロ動くのでさらにトゲが深くまで刺されて行動不能におちいってしまった。
まいった。
ちょっと見くびっていた。
傷としてはたいしたことはないんだが全身が泥やら血で汚れるのが嫌だ。
着替えを持ってきてなかった。
穴だらけで帰るってわけにもいかんしな。
困った。
戦闘中なのに緊張感のないそんなことを考えていた。
いつまでも好き勝手にされてるわけにもいかんということで反撃。
あお向けに地面に押しつけられているのでかる〜く足で蹴り上げた。
軽く蹴ったつもりだったのに15メートルほど吹っ飛んだ。
蹴ったのはいいけど足の裏にトゲがグサッと突き刺さった。
痛いったらない。
でもとにかく血獣を引き離すことはできた。
左目にもトゲが刺さっていたが眼球が急速復活。
斬光腕打振を両手に発動。
ちょうど良いタイミングでハリネズミみたいな血獣が戻ってきた。
トゲがブスッと刺さるのが嫌なので光刃の出力アップ。
スタンダードより倍の長さに調整。
その代わり貯めていた太陽光の消費も増えてしまう。
向こうから突進してきてくれたので楽だった。
両腕をヒュンヒュンさせて斬り刻んでやった。
これが人間や並の眷属だったら血獣に殺されていただろう。
血獣はバラバラになりながら燃えていった。
10秒もかからずに存在そのものが消えてしまった。
月読は嘆いていた。
傷なんかは瞬間的に治るものの着ているものがボロボロだった。
替えを持ってきてなかったんだよなとどうしたもんかねぇと唸ることになった。
暗闇の中、独りでう〜んと考えていると突然きた。
両横と背中に激痛。
どうやら刺された。
痛った。
なんだよと右脇腹を見ると子供がいる?
いや、よく見ると子供ではない。
子供に似たなにかだ。
生きものではないので気配を気づけなかった。
それが群がってくる。
月読としてはとにかく振り払うしかない。
そして距離をとりたい。




