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「ところでこれからどうするんだね?
帰るかね?
交通機関は···
まだ大丈夫か」
時刻は午後5時をすぎている。
外はすでに暗くなってきている。
電車は余裕だ。
なんなら適当にホテルに泊まってもいい。
「いや、ちょっと待てよ···」とグレゴール博士の顔が曇った。
その理由は月読にもわかっていた。
「これは?」と言う月読の問いに対してグレゴール博士が鼻に皺を寄せている。
「最近のことだが、血獣がいるんだよ。
夜になると村人を襲ってるんだ。
なにを血迷ったかここにも1回だけきたことがあってな、その時は追い返してやったんだが···
そうか、おまえさんらが来て吸血鬼反応が増えたからか?
特におまえさんの反応が強いから興奮状態になってるのかもしれんな」
グレゴール博士によると人としての原形は失われてる血獣なんだそうだ。
人間としての記憶もすでに消えているだろうとも推測している。
ポンペイをはじめとしたイヌとリスが戦闘準備に入っている。
いくら頭がいいとはいってもサルやイヌでは血獣には敵わないだろう。
ここは自分が殺るしかないだろうと月読は名乗りを上げた。
時雨とちよは吸血鬼としての能力を今は持ってない。
そして月読が負けることはありえないと確信しているので特になにも言わなかった。
つぐみは起きているが静かだ。
月読が外に出てみるともうまっ暗だ。
この周辺には1軒の建物しかないためか街灯もない。
今の月読にはなんの影響もない。
昼間と変わらずに見えている。
そして血獣を見つけた。
というよりも向こうから勝手に襲いかかってきた。
元は人間だった。
死ぬことはなく眷属にもなれなかった「なれのはて」の血獣。
よくもまぁ、こんな姿に変わってしまったもんだと驚くばかりの変わり果てた姿。
パッと見てアレだと月読は思った。
ハリネズミだ。
本物に比べるとぜんぜん可愛くもないのだが全身がトゲトゲなのは似ている。
優に3メートルは超えている。
体型はボールみたいだ。
その体の大きさとはバランスがとれてない小さな顔がある。
獰猛そうだ。
こりゃ、普通の人間が見てしまったらビビるだろうなといった感じだ。
人間だったら襲われてしまったらひとたまりもないだろうねとも思ってたら意外なことを始めた。




