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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
闇夜のその先

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64/81

1-8

華鈴はちょっと浮かない顔をしている。

この人間の養殖施設が外部に知られてしまった。

次も襲ってくる可能性が高い。

無断侵入してきた自衛隊員たちを皆殺しにしてしまったんだからなおさらだ。

移転しなければならない。

だが移転先を見つけるのが難儀だ。

見つからないように1ヶ月で移転できるか?


後方支援を任されてバスに残っていたのは2名の自衛隊員。

天女目道命(なはためどうみょう)3佐。

聞き慣れない名字と名前なんだが実家が寺。

山形県にあるいわくある寺の住職の次男で31歳。

もう1人は白石順美(しらいしじゅんび)2尉で30歳。

2人は大いに焦っていた。

カメラの画像が動いてない。

連絡も取れなくなった。

考えられることは吸血鬼に殺られた?


「天女目3佐、どうします?」と白石が不安いっぱいの顔を向けてくる。

これから2人で乗り込んでいくかって?

無理だ。

状況から判断して自分たちの勝手にはできない。


「いや、まず幕僚長に報告だ。

それからどうするかを決める」


言い終わると即座に連絡を入れる。

別の部隊を送るということになった。

自分たち2人は影像記録を持って帰還せよと命令が降りた。

忸怩(じくじ)たる思いでバスを動かすことになった。

千葉ではなく新宿区市ケ谷にある防衛省に向かった。


20分ほどで市ケ谷駐屯地に到着。

バスは他の自衛隊員に任せて天女目と白石は川上幕僚長が待つ会議室に行くことになった。

小さな会議室に入ると川上幕僚長と市ケ谷駐屯地のトップである陸将補である金沢理人(かなざわまさと)の2人がいた。


「突入した全員が戻らない。

殺られたと考えていいのか?」


金沢陸将補が重い声を発した。

その声を聞いても川上幕僚長は沈痛な表情のままだ。

前途ある有能な隊員たちを突入させてしまった責任がある。

誰も話さない。

室内には重苦しい空気だけがある。

その沈黙を破ったのは金沢だ。


「救出するための隊員たちは派遣している。

だが映像の解析が終わるまで待機だ。

中でいったい何があった?

何を見た?」


天女目も白石もライブ映像を見ていた。

何かがチラッと見えたような気がしたがはっきりとはわかってない。

誰が?

おそらく吸血鬼。

何をした?

わからない。

生存者は?

わからない、わからない。

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