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2-1

2


2日後の午後2時になろうかとする時間。

神楽月読は都内某所にいる。

極秘であるので地名は明かせない。


神楽月読は太陽光が最もサンサンと降り注ぐ時間帯に独りで訪れていた。

目的の場所は地下1階にひっそりとある。

看板などは出してない。

知る人ぞ知るといった店になる。


月読はドアの前で立ち止まった。

インターフォンを押す。

中から声があった。

続けて解状された音。

出迎えてくれたのは白いキツネの仮面をつけた女性。


「どうぞ、マダムは奥です」


慇懃いんぎんだが顔の表情がわからないので営業用ボイスにしか聞こえない。

この人は必要最小限の言葉しか出さないのでなおさらだ。

10畳くらいはある受付の奥へ進むとまた10畳くらいの部屋がある。

その部屋の奥に巨大な机があって、その前にデ〜ンとソファセットが置かれている。

この部屋の主であるマダム·ゼリーゼリーが巨大机の椅子から立ち上がった。

部屋の壁一面には様々な物が置かれていて雑然としている。

それらの中から大きめの紙袋を手に取った。

月読が座っているソファの前のテーブルの上に置いた。


「ついさっき、やっと届いたの。

なんかねぇ、この時期は配達量が多いんだそうで順番にってことだったみたい。

人がいないから仕方ないんだって。

これでも早かったほうだって言われたけど···」


マダム·ゼリーゼリーは月読の正面に座った。

月読は紙袋の中身を簡単に確認している。

代金は前払いですでに収めてあった。

「確かに」と受け取りは無事に終わった。

ここでしか手に入らないものだ。

この店を利用するようになってかなり長くなる。

金さえ出せば欲しいもののリクエストには応えてくれる闇の雑貨店(?)のような存在だ。


「ところで、歌舞伎町あたりは『カッツェ委員会』の連中がウロウロしてたと思うんだけど···

変な動きをしてるとかってなかった?」


マダムの瞳が猫の目のようにほそ〜くなった。

今にもニャオ〜ンって鳴き出すんじゃないかと思った。

マダムは露出しているのが両目だけ。

イスラム教で女性が常に着ているアバヤに似たような姿でいる。

アバヤって黒ばかりだけどマダムの場合はライトグリーンだったりライトオレンジだったりする。

手袋も衣装に合わせた色使いだ。

頭から足先までトータルコーディネートってことなんだろう。




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