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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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5-2

けど自転車のほうが避けてくれた。

月読たちはちょうどレンタカーの営業所のま横を歩いていた。

自転車は乗っている女性と一緒にま横にまっすぐ吹っ飛んでいった。

おそらく初速で音速を超えていただろう。

反対側の歩道は駐車場になっていてその先には民家がある。

一軒家ではなくうまい具合にマンションの壁にぶち当たっている。

これなら自転車に乗っていた女性だけの被害ですむ。

月読たちには誰がやったのかはわかっている。

こんなことができるのはつぐみだけ。

邪魔だからテレキネシスを使ってま横に弾き飛ばしたってこと。

つぐみのことだから「我らの前進を(はば)む者は排除すべき」であるとでも思ってのことだろう。


つぐみは眷属ではあるが人間であった期間は1年ほど。

本人にはその時の記憶はない。

気づいた時から吸血鬼としてすごしてきた。

眷属とはいっても実質的には純血統吸血鬼のようなものだ。

時として人間の倫理観は通用しないこともある。


月読たちは特に気にすることもなくスタスタと大月駅まで戻っていった。

電車には乗ることはない。

話し合いの結果、電車よりもタクシーで移動しようと決めていた。

忍野村に行くためには徒歩、あるいはバスかタクシーを利用することになってしまう。

それなら大月からタクシーを利用したほうが時間的には早くなる。

費用としては電車利用よりは高くなるがそれほどの金額になるわけでもない。

つぐみが稼いでくれているので経済的には余裕がある。


壁に激突した女性は通りかかった人の通報によって救急車で運ばれていった。

複雑骨折の重傷で長期の入院をせざるをえない状態だった。

意識はないが死ぬことはないといった医師の判断があった。


駅前に行くとちょうどタクシーが停まっている。

行先を告げると予想通りに驚かれた。

そんな所まで行くのは始めてだそうだ。

そしてここでも親子と思われてるようだ。

面倒なのでそういうことにしておく。

さらに親戚が病気で危ないから急いでいると伝えると運転手は納得したみたい。

運転手の話では電車で行くよりも車のほうが間違いなく早いと言ってる。

電車だと1時間30分ほど。

車だと順調にいけば50分ほどで行けるとつけ加えている。


実際に忍野村に着いたのは1時間もかかってなかった。

料金は1万円を超える金額だった。

お釣りはいらないからと2万円を渡すと嬉しそうな笑顔を返してくれた。

かなり気を使って運転してくれていたのはわかっている。

サービス料金も支払わせてもらうことにした。

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