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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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54/72

5-1

5


月読はJR大月駅を出た。

本当は独りで行動するつもりだった。

ちょっと山梨県まで行ってくるから留守番をよろしくとかる〜く言ったのが間違いだった。

初めに一緒に行くと言い出したのはちよだった。

月読は躊躇(ちゅうちょ)した。

今のちよは吸血鬼の呪縛から解放されて年齢に相応しい等身大の人間になっている。

普通の眷属だったらありえない現象だ。


じゃあ一緒にと月読が折れたのはつぐみも一緒にと言ってくれたからだ。

それなら安心だ。

これから向かう先は吸血鬼がいる場所。

どんな吸血鬼がいったい何人いるのかもわからない。

月読独りだけならどうとでもなるが、なにかあった時には月読だけでは攻守の手が回らない。

つぐみがいてくれたら安心だ。

つぐみの場合はず〜っと吸血鬼でいる。

問題なのは、いつ起きてどのくらい眠っているのか予測がまったくつかないこと。

その代わり目覚めている時の能力は安定している。


本来なら立川でお昼にしてもよかったんだが大月でのちょっと遅めのランチとなった。

食べるのはちよと時雨のみ。

現在の月読はつぐみと同様に血液以外は口にしないので、いわゆる普通のごはん屋さんには入りづらい。

気を使ってくれた時雨の提案でカフェでのランチに決まった。

これなら月読なんかは飲みものだけの注文でも変に思われない。


入ったカフェはおそらく夫婦で経営している店。

月読たちは家族だと思われてたみたいだ。

人間が言うところの家族ではないが、吸血鬼で言うところの家族ではあるのであながち間違ってはいない。


店を出てからちょっとしたアクシデントがあった。

大月駅に向かってる時のことだ。

路上に駅前通りと書かれている歩道を歩いていた。

駅に向かって左側の歩道を進んでいた。

やけに広く見える車道には車が数台。

歩道には人が歩いてないといった状況。

それなのに月読たちが進んでいる歩道の先に1台の自転車。

20代の前半くらいの女性が耳にイヤホン、右手だけのハンドル操作。

スマホを見ながら乗っているので右に左にフラフラしながらの運転。

スマホに夢中で月読たちが前方にいるとは気づいてないようだ。


つぐみを抱きかかえた時雨とちよは自転車を避けるつもりだった。

人間体でいる時には無理をしないこと。

再生能力も減退しているのだからちょっとした怪我でも避けたい。

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