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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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53/80

4-6

月読の場合、高い再生能力があるため睡眠時間はほとんどいらない。

ほんの一瞬、1〜2で十分に寝たことになる。

人間の状態になってしまうと人と同じような生活サイクルになってしまう。


ソファに寝っ転がってどうしようかなと悩んでいる時にやっと玄関側から音が聞こえてきた。

おそらく妻の名前だろうと思われる声を出しながら大慌てでリビングに入ってきた1人の男。

待ち時間にして20分とちょっと。

会社があるのがここから近いのか?

やけに早かった。


「誰だ、おまえは?」


リビングに入ってくるなりの男のひと言。

着ているものは高級そうなスーツ。

ちょっと神経質そうな表情でひと癖ありそうな雰囲気がある。

まぁ、警戒するのはわからんでもない。

家の中に家族はいなさそう。

その代わりリビングに入ると見知らぬ男が無表情で立っている。

その男からすると気味が悪いものがあるんだろうことは理解できる。


あまり時間をかけたくない月読は無言で無表情で男、山口に急速接近。

山口にとっては予想外の展開でとっさに逃げることも(かな)わず首を(つか)まれた。

月読が右手だけで山口の首を掴んで持ち上げている。

山口が抵抗しようにも力が強すぎてどうしようもなかった。


月読は9階のベランダまで山口を片手で持ち上げていった。

重さは感じてないらしい。


それは砲丸投げの形に似ている。

月読は山口の首を掴んだまま片手で空に向かってポ〜イって投げ飛ばした。

高さは500メートルより上でこのベランダからの距離は200メートルをかる〜く超えてるくらいの場所に投げ捨てた。

この部屋からは真正面に東京タワーが見えている。


これで問題解決っと。

これであの母娘も安心安全だ。

気まぐれにやったことだけど、またいいことしちゃったよ。

俺って人に対して優しいのかなぁってニヤリとしてエレベーターで降りていった。

ちょっと寄り道しちゃったけど気分はいい。

さぁ、立川に戻るかと麻布十番駅に向かった。


しばらくして駐日ロシア連邦大使館は大騒ぎになっていた。

敷地内に謎の死体が見つかったからだ。

半分以上は原形をとどめてないのだが成人男性だということだけはわかった。

大使館としては手のつけようがないので日本の警察に対して緊急連絡をしている。

捜査を進めていくうちに男の身元はすぐ判明した。

携帯電話や免許証などを所持していたのでそれで。

問題はそれじゃない。

男の名前は山口勝也。

六本木で不動産会社を経営している43歳。

死因は墜落死と断定された。

そこまではわかったのだが、いったいどこから落ちた?

周辺に建物があってもどうやってこの場所に墜落した?

違う場所で墜落してこの場所に運ばれてきたってことは状況的にはありえない。

体の損傷具合から数百メートル上空からの落下であることまではわかっている。

まさか飛行機から落ちた?

落とされた?

記録では死亡時刻にあたるだろう時間帯に麻布上空を飛行していた航空機などが存在しない。

捜査は暗礁に乗り上げてしまった。


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