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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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52/74

4-5

今日は平日なので父親は仕事だ。

だから家にはいない。

母親に父親へ緊急連絡を入れるようにと指示。

内容までは考えてなかったので母親からの言葉はしどろもどろになってしまった。

月読が代わってスマホを手にして「家に戻ってこい」とだけ言って通話を切った。

突然に男の声での命令口調だったので驚いたはずだ。

なんでもいいから家に戻ってくればいい。

できれば独りでだ。


山口母娘に次の指示。

3時間ほど外で時間を過ごしてから戻ってくるようにと。

母親も海邦も心ここにあらずといった表情で部屋から出ていくことになった。

どこかの店にでも入って過ごすのがいいだろうと準備させてから送り出した。

あとは待ってればいいだけ。

どこで仕事をしてるのか知らんが1時間もかからずに戻ってくるだろう。


リビングに足を踏み入れた。

月読はインテリアとか美術品なんかには(うと)い。

というか興味のかけらもない。

壁にかかってる絵なんかを見てもお高いのかねぇって眺める程度。

良いとも悪いともち〜っとも思えん。


リビングの窓側にソファセットが置かれている。

カウチソファとかいうやつじゃなかったかと月読はドカッと寝転んだ。

ちょうど良い硬さがある。

高級品ということらしい。


さてと、ここが片づいたら一度立川に戻って、単身忍野村に行くことを伝えて出発だ。

つぐみが起きてる限りは人間化している時雨とちよの心配はない。

それにしても不思議だ。

自分が吸血鬼化、つまり本来の姿に戻ってしまうとちよと時雨は人間の姿になってしまう。

逆に自分が人間の姿に弱体化してしまうとちよと時雨は吸血鬼化する。

純血統吸血鬼と眷属が常に反する立場になるのだったらまだわかるんだが、そうなると常に吸血鬼でいるつぐみの存在はどうなるのか?

考えてみると自分は最初っからこんな2面性だったんだろうか?

記憶にないねぇ、覚えてない。


暇だからスマホで検索。

名義は会ったこともない人物。

料金支払いも別の名義になっている。

マダム・ゼリーゼリーの店ですべての手続きをしている。

戸籍の売買で手に入れた名義を使用しているらしい。

名義さえ手に入れば、支払いさえしっかりと継続していればなんの問題もない。

マダムの店では金さえ払えば手に入れられないものはないというのが売りだ。


検索しなければならないことは忍野村までどうやって行くかだ。

立川駅から電車に乗って大月駅まで。

富士急行線というのに乗り換えて富士山駅まで。

また乗り換え。

河口湖線で御殿場駅で降りて徒歩1・2キロ。

時間にして3時間ほど。

もっともこの数字は順調にいった時のことだ。

初めての土地なんかでそううまくいくとは思えない。

トラブルやハプニングもあるかもしれない。

まぁ、これにプラス1時間は必要かもしれんねとちょっと面倒だなと思い始めていた。

それでも絶対に行くんだけどな。

今日中にね。吸血鬼化してられるのも日数制限がある。

重大事項となると寝る時間もおしんで活動しなければならない。



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