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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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51/65

4-4

外に出ると雨は本格的に降っていた。

流行りのゲリラ豪雨とかじゃなくてまだよかった。

コンビニがあったのでビニール傘を2本購入。

海邦の家までは徒歩7〜8分といった場所。

一軒家ではなくマンションだった。

39建ての高層マンションというやつだ。

そうすると海邦はわりと裕福な家庭の子供になるはず。

賃貸だかどうかは知らないけど、賃貸だとしてもかなり高額になるはず。


入口は広くて綺麗だ。

そしてオートロック。

海邦は毎日出入りしているだろうから暗証番号を押して解除。

これで自動ドアを作動させることができるようになった。

中に入ってみるとコンシェルジュがいるってほどではなく管理人の姿もない。

そこまでの規模のマンションではないってことらしい。


エレベーターで9階まで上がる。

通路があって各部屋のドアがズラッと並んでいる。

海邦はエレベーターを降りて4つ目のドアの前に立った。

このドアの鍵を持っている。

山口というプレートが出ている。

海邦に続いて月読も室内に入った。

ドアが開いた音で気づいたんだろう。

母親だと思われる女性が現れた。

かなり驚いている。

子供が帰ってきたと出てみたら見知らぬ男が一緒だ。

そりゃ驚くだろうさ。


月読は無言でズカズカと上がりこんだ。

当然のことだが母親は怯えもあって後ずさる。

そんなことにはおかまいなく月読は黄金の目を向ける。

瞬間的に見つめ合う形になった。

それで十分。

催眠効果は発動される。

余計な手間を省くために最短の方法を選ぶことにした。

余計な言葉はいらない。

必要なことだけ勝手に引き出せれば十分。


時間にして6分ほど。

なるほど、そういうことかと海邦より詳しく聞くことができた。

それで目の前で事情を話してくれている女性の顔や腕なんかも打撃跡があるのか。


原因がわかった。

父親による家庭内DVだ。

結婚した当初は普通の人だったらしい。

仕事は不動産会社を経営している。

その仕事が順調に進んで収入も大きくなっていく過程で父親も大きく変わっていったそうだ。

特にこの麻布に越してきてからが口うるさくなって手を出してくるのも顕著になったみたいだ。


母親の言葉を借りるなら、父親の仕事関連のつき合いには高額所得者が多くなっていった。

また、この麻布という土地にしても金持ちが多く住んでいる。

このマンションの住人にしてもそうだ。

そういった意識高い系の人たちに日々接してる内に父親のエリート意識とでもいうのか、影響を受けておかしくなってきたんだということだ。

月読にはそういった心理がよく理解できなかった。

たったひとつわかったことは元凶はその父親の存在だ。

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