表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/74

3-6

男のニヤニヤが止まった。

月読としては、まぁ、こうなるんだろうなと思ってた。

先に手を出してきたのは男のほうからだ。

速い。

わかっちゃいるが人間の動きじゃない。

ほんの一瞬の差で月読の防御が遅れた。

腹部に一撃が入ってしまった。

続けて右足が上がって蹴り上げられた。

腕も足も一撃に重さがある。

最初の一撃から次の攻撃までが連携している。

それが次々と繰り出されてくる。

反撃の隙を与えないような見事な連続攻撃。


この男、かなりの訓練を積んでいる。

そして実戦経験も豊富なのだろう。

連撃が止まらない。

パワーもありスピードもある。

普通の眷属ではない。

おかしい、なにかが違う。

防御しながらも冷静に分析もしていた。

そして好機がおとずれた。

男の左手首を(つか)むことができた。

月読の強力な力で逃げられなくしたので近接殴打。

つまり殴り合いになった。


互いに激しい高速の猛打を繰り出す。

時間の経過とともにゼェゼェと息が上がってきて見るからに辛そうになっているのは謎の男のほうだ。

月読はケロッとしている。

初めっからの男の懸命な攻撃も月読には効いちゃいない。

吸血鬼となった月読のバケモノじみた再生能力の高さから殴打程度での被害はまったくない。


隙をついて男は月読の手から離れて距離をとった。

月読としても椅子が多すぎて邪魔で戦いにくさもあった。

意識的に手を離してやった。

月読は追うことはしなかった。

面倒だから次で一気にケリをつけるつもりでいた。

「光」の蓄えはまだまだ十分にある。

切断して終わらせてやると思っていた。


謎の男は奇妙な行動に出た。

なにかを口にした。

大急ぎで飲んでる液体。

血液か?

変化はすぐに現れた。

眷属といえども人の姿でいた。

暗闇での赤い瞳以外は人であった時の姿は保っていた。

最も顕著(けんちょ)なのはその顔が変わっていった。

鼻から口が前方にせり出して人ではなくなっていってる。

まさか、これが狼男ってヤツか?

月読は長い間生きてるがこんなのは初めて見たと興味津々でいる。


男の名はアレックス。

人であった時はアメリカ海軍の軍人だった。

長崎県佐世保にある海軍基地に駐留していたこともあって日本語が堪能だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ