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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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36/78

3-3

「この教会の方ですか?」と月読は白々しく応えてみた。

「そうですが、なにか?」と無表情だが日本語が返ってきた。


「中に入っても大丈夫ですか?」


「昼は誰もいません。

開放されるのは夕方の6時半からです」


丁寧な言葉遣いではあるが鷹揚(おうよう)がない。

それと今の月読の耳でならわかるが男からの息遣いが聞こえない。

見た目は20代前半ほどの平均的な若者のように作られている。


月読はロボットから目を離さず後ろ手でドアを開けようと試みた。

ここまで来ておいてそうですかって夕方まで待つバカなんていないよ。

できれば穏便に妹のことを聞き出せることが理想だが、今なら最上級の暴力を使ってでも聞き出すことに抵抗はない。

ヤルってんならヤルぞ。


「6時半からだと言いました。

それ以上は止めてください」


月読の行為に対しての厳しい注意ではあるのだが熱はない。

機械的な口調だ。

そしてドアは開かない。

もう怪しさ100パーセントでいいんじゃないか?

どうしても中に入ってみたい。

入らなければならない。

ここは強行突破。


「開けてもらえないですか?」


「なんのために?

夕方になってからにしてください」


ロボットのくせに(かたく)なだ。

もう機械だってバレてるんだけど。

人間なら騙せたかもしれないけど相手が悪かったようだ。

月読はロボットの言ってることなど完全無視でドアを開けることにする。

鍵がかかってるなら壊すか。

あるいは他の入口を探すかになる。


この教会のドアは高さおよそ2メートル半くらい。

2枚扉で外に向けて開くタイプ。

月読がそのドアのノブにチラッと視線を移した。

それだけの一瞬のことでギョっとすることになった。

5メートルほどの距離をとっていたロボットが手が届く距離にまで近づいている。

機動力は高性能ってことらしい。


「何度も言わせるな。

ドアに触るな。

ここから立ち去れ」

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