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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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34/77

3-1

3


朝になった。

眩しくて熱いくらいの朝。

その光の中で月読は目覚めた。

渇きがある。

まずやらなければならないことは潤いだ。

初日にはどうしても必要。


リビングに入るとちよがいる。

オレンジジュースを飲みながらスイッチライトで遊んでたらしい。


「おはよ、早いな」


先に月読が声を出した。

すぐ「おはよ」とちよからも返ってきた。


「昨日、早く寝すぎたからだよ。

時雨はまだお休み中」


昨夜遅くまで買いものだとか掃除やらで独りでせかせかと動き回っていた。

そんなわけで疲れてるんだろうからゆっくりしておくれと気にしてはなかった。

今は吸血鬼ではないのだから。


つぐみがやっと起きていた。

ちよが座っているソファの前に大きなテーブルがある。

そのテーブルの上にノートPCが置かれている。

見やすいようにとつぐみは宙に浮いている。

年齢的には1歳児ほどなので喋ることができない。

テレパシーを使って「おはよ」とは言われている。

つぐみが熱心に見ているのは有価証券の動向だ。

月読たちが人間の世界で暮らすための生活費はすべてつぐみが稼いでいる。

今は株での収入がメインだ。

多くを稼がず月収で2,000万円から5,000万円ほどの収益を上げるように調整している。

時には大きくマイナスにしたりと収入を上げすぎないようにと目立たなくする工夫も巧妙に行っている。

つぐみに関してはわからないことが多い。

長い間、一緒に生活していても不思議な存在だ。


月読は血液パックを手に取った。

ランダム手にしたのはB型だ。

ゴクゴクと飲み干した。

新鮮ではないが十分だ。

体が活力に溢れてくる。


「キャプテン」と頭の中に声が届いた。

つぐみのテレパシーだ。

続けて「お出かけ?」と尋ねてきた。

つぐみにはわかるんだ。


「あぁ、ちょっとね···」


ちよが不審な顔を向けてきた。

ちよにはつぐみの「言葉」が聞こえてない。

月読としてもわざわざ言うつもりもない。

ちよと時雨にはこの部屋で静かにすごしておいてもらいたいからだ。

今のちよと時雨は人間と化している。

吸血鬼としての能力はまったくなくなっている。

だから人間が食べるものを食べて飲んでいる。

戦闘などは間違ってもさせられない。

一瞬で殺られてしまう。

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