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ゴクゴクと一気飲み。

今回はO型の血液パック。

ちょっと甘めで美味しい。

200ミリリットルは多すぎ。

本当は50ミリリットルでも飲めば十分。

人間でいうところの食べすぎ状態だ。

でもまぁ、これでかなり長い間はお腹が空かなくなっただろうからいいんだけど、今はお腹が苦しい。


「ちよ、おかえり。

どうだった?」


リビングに若い男が入ってきた。

髪が濡れているので風呂上がりか?


「やっぱり血液パックだけだった。

他のは入荷が遅れるって。

明後日の昼頃には入る予定らしいです」


「わかった。

今度は俺が取りに行く。

今はドライバー不足だから予定通りに配達が難しくなってるんだろう」


「それって、もしかすると···」


「あぁ、ちよの考えてることも一部あるかもしれない。

それよりもこの国は少子化が進みすぎてるんだ。

だから働ける年代の人間が急激に減ってる。

吸血鬼が人間を襲うからっていうのはほんの一部だと思う」


ちよと呼ばれたその女の子はその説明を聞いてもふ〜んとしか思ってないようだ。

人間の世界のことには興味がないわけではないがネガティブな方向の話題なんかは苦手だ。

それはちよが人間であった時の嫌な記憶とリンクしてしまうからだ。


ちよは1782〜87年の天明の大飢饉で死亡している。

その当時は自分がどこに住んでいるとかの認識はまったくなかった。

いま思えば、おそらく山形県あたりで暮らしていたんじゃないかと推測している。


江戸時代中期、徳川10代目の将軍家治の時代。

火山噴火(浅間山やアイスランドのラキ火山など)とエルニーニョ現象による冷害の影響で農作物の収穫が壊滅的な状況におちいってしまって深刻な飢饉状態がおよそ7年間ほど続いた。

はっきりとした数字はわからないが全国で約90万人もの人が亡くなったとされている。

その中の1人がちよだった。


正確には飢えによって瀕死の状態にあったちよは純血統吸血鬼の眷属になっている。

そういったことでは人間であったちよは死亡したも同然といってもよい。

生まれ変わっても身体的には成長しない。

外見は7歳ほどの少女のまま。

眷属になった時の姿を維持し続けることになる。

その中身としては人間であった時の数百倍の力を持ちスピードも兼ね備えたアタッカー。

再生能力も高いので少々無茶な戦い方になっても突っ走っていける。

接近戦に特化しているのでジグズナイフをメインにした戦闘スタイル。

眷属であるのでその目は赤い。

純血統吸血鬼なら黄金の目になるので区別することは容易だ。


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