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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
ハーフムーンの激突

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27/74

1-1

1


立川のマンションのドアを開けたところで午前0時9分。

ここにはしばらく来てなかったのでちょっと湿っぽい空気がある。

立川駅の南口に出てすずらん通りを進んで目立たずにひっそりと建っているマンションの1階。

1階にこだわるのは、例えばエレベーターを使わないことで住人と顔を合わせたりしないようにすることもある。


しばらくはここで暮らすことになるのでその準備は月読と時雨で行う。

ちよは早急に安静にさせた。

そうすることで回復を早めるためだ。

腕を斬られた時には激痛。

その痛みと出血も1分以内で治まっていた。

再生能力がフル稼働していた。


つぐみはまだ寝ている。

いつ起きるのかはまったくわからない。

それどころかつぐみ自体がよくわからない不思議な存在だ。


「キャプテン、あとはあたしがやっておきますので休んでください」


3LDKの部屋の中を整理し始めて30分をすぎたくらいだった。

部屋の中の換気もしたいところだが真夜中なのでやめておく。

久しぶりの部屋なので埃が溜まっている。

誰もいなかった部屋でどうして埃がある?

埃はどこからやってくる?


3人が寝ている間に時雨はせっせと独りで部屋の中の掃除やら片づけを行うことにした。

吸血鬼の眷属になったとはいえ本質的にはこういった何気ない日常をすごすことを望んでいる。

心としては人間のままでいたいと願っている。

そこはちよとは大きく違うところだ。

ちよは超人的な力を楽しんでいる。

人間に戻りたいかと問えば拒否するだろう。


午前9時頃には月読が目覚めた。

朝食は時雨が作る。

作りたいからだ。


冷蔵庫はある。

無人だったので電源はブレーカーをオフにしていた。

だから食材などはいっさい置いてなかった。

綺麗になったテーブルの上に日本の伝統の朝食がある。

みそ汁に玉子焼き、それに漬物など。


「コンビニで買ってきました。

他の吸血鬼反応はありませんでした」


戦時中の日本女性の在り方を今も維持している面もある。

考えてみれば吸血鬼は長命なので昔の習慣などを今もそのままってことがある。

そして本当の歴史も知っている。


「わかった。

じゃ、いただきます」





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