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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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26/77

5-5

キャプテンの言う通りだと時雨もこの強烈な臭いには辟易していたところだ。

つぐみも腕に抱いたが熟睡している。

なんとも肝の座った男の子だと感心してしまう。

ちよのことも心配だが一度戻ってみることにした。

逃げていったという眷属のことが気になる。

急いだほうがいいだろう。


マンションに戻ってみるとちよがいた。

左腕の肘から先が失われていた。

そのためか月読たちが部屋の中に入った時に血液パックからゴクゴクと血を飲んでいた。

本来は人間から直接飲んだほうが新鮮な血液なので傷にも効くだろう。

それに人間でいうところの採れたての果実と同じで採れたての血液のほうが美味いに決まってる。


「腕、やられたな」と月読が声をかけるとちよは血液パックを口から離して不敵な笑みを返した。


「純血統だった。

でもたいして強くなかったよ。

スピードはあったけど···」


「そうか···」と月読はちょっと考え込んでしまった。

この場所が他の吸血鬼にバレた?

そう解釈したほうがよいだろう。

このマンションを契約したのが1年くらい前。

便利な場所なので気に入っている。

外国人が多く住んでいるのでその中に紛れてしまえば見つかりにくいとは思っていた。

発見されるのが思いのほか早かった?

となれば今日中に他のアジトへ移動だ。

他に数カ所のアジトがある。

ここからならとりあえずは立川へ移動だ。

月読ではマンションの賃貸契約ができないので契約が必要なすべてのことは生田時雨名義になっている。

元は人間であったので時雨が適任だ。

ちよだと中身は数百歳なんだが外見上は7歳ほど。

その姿では、例えば不動産契約をする時に相手の人間はどう見る?

住民票だとか細かいことはつぐみがすべて行っている。


月読たちは簡単に荷物をまとめて部屋を出た。

外は騒がしくなっている。

街中で異形のバケモノが出たからだ。

警察の現場検証やら救急車の音などでいつもより賑やかだ。


月読たちは人目につかないようにと注意しながら中央病院通りへと出た。

立川までなら電車での移動が早いかなとほ思ったがちよのことなどを考えてタクシー移動のほうを選んだ。

1台のタクシーでということではなく何台かを乗り継いで移動していった。

いろいろと用心のためだ。

そのため時間はかかってしまった。

追っ手などはいなかった。

今回の大騒ぎで人間の死者は出なかった。

重症者は13名。

軽い打撲からの被害者は37名ですんでいる。

人間たちにとっては運が良かった。


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