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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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25/74

5-4

その吹雪は5秒ほど。

時雨の限界だった。

使い慣れてないので5秒ほどで息切れだ。

だが今回はそれで十分だった。

血獣が眷属の1人を取り押さえていた。

その眷属は捕らわれながらも撃てるだけ撃っている。

そのたびに膿がジュっと出てきて眷属にも触れている。

もう助からないだろうと思われるところにブリザードが襲いかかった。

ほんの2〜3秒で血獣も眷属も氷の彫刻と化した。


肩で息するまでの疲労をかかえてしまった時雨にはまだやることがあった。

最後の仕上げとして砕氷による攻撃。

「砕き」を行って氷の彫刻を粉々に砕いていった。

能力を酷使してしまったため立ってるのがやっとの状態になってしまった時雨。


無傷のまま生き残ったのはシレーヌの眷属だった足立。

そのシレーヌが倒されたことは、シレーヌとの間で結ばれていた「血の従属」が消えてしまっていることでわかった。

目の色も変わっているだろう。

これで血が解放されて独立眷属になった。

そうなると好き好んでこんな危ない連中にかかわってる道理と理由もない。

次は自分が殺られる。

急いで撤収だ。

カッツェ委員会のもとに報告しますと逃げ帰ればなんとかなる。

とりあえずは生きていける。

その先のことはその時になって考えればいい。

足立は注意しながら強烈な悪臭がするこの場から遠ざかっていった。


吸血鬼反応がなくなったことで時雨はホッとしている。

氷の能力を持っているがどこまで使えるのかはまだまだ未知数だ。

能力向上のための鍛錬などをやればいいのだが気が進まないでいる。

これは性格もあるが経験からの影響もある。

第2次世界大戦での空襲や苦しい生活などを体験しているので戦争に対しての嫌悪感はいまだに続いている。


「···時雨、時雨」


名前を呼ばれている。

我に返った。


「は、はい···」


「他に反応は?」


「ないです。

1人いましたが逃げていきました」


「ちよはどうしてるだろ?

とにかくここを離れよう。

臭いがきつすぎる」


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