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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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24/79

5-3

デンゼルは目が離せなくなった。

ああいうことができるってのは再生能力を持ってるってことか?

しかも高い再生能力?

なおさらだ。

あんなのと対峙するのは危険だ。

現にシレーヌも殺られた。

自分なんかの力じゃ、例え手負いのあの眷属にだって勝てる気がしない。

逃げるが勝ちだ。


戸山公園では戦闘まっただ中。

予期せぬ血獣の乱入で予想外の争いになった。

なにより臭う。

血獣からの膿の悪臭だ。

攻撃すればするほど体中の瘤のようなものが破裂していく。

臭いと強酸のような膿を撒き散らす。

銃弾が本体にまで届いてないかもしれない。

厄介なことに動きは素早い。

これには眷属たちも翻弄(ほんろう)されている。

近距離では戦えないので距離を置いてハンドガンの連射しか手がない。

しかも1人が殺られた。

膿を浴びて体が溶けていった。

おそらくだけど血獣は吸血鬼反応がまとまって動いているから眷属たちのほうを優先的に狙ってるんだろうと思われる。

月読たち3人の中で吸血鬼反応が出ているのは時雨しかいない。


月読は迷っていた。

月読もベレッタM93Rを連射している。

弾丸がある限りは撃っていくしかない。

弾が尽きたら残りは紫外線手榴弾1個のみ。

それをいま使ってしまおうかと迷っている。

うまくやればこの場での戦闘は早期に終わらせることができる。


「あたしがやってみます。

つぐみをお願いします」


月読の迷いを感じ取ったのか時雨が先回りするつもりだ。

そしてつぐみは月読の手に。

熟睡だ。

周りでの殺伐とした空気などどこ吹く風だ。

つぐみが眠ってるんだから事態はまだたいしたことはないのだろう。


時雨は周囲の様子をうかがってからソッと氷の壁から出た。

両手を突き出して手の平を暴れている血獣と眷属に向ける。

手の平に意識を集中させる。

これまでに1度だけ使ったことがある「急速凍結雪流れ」を発動させる。

前回は中途半端に終わった。

成果はなし。

本格的というなら今回が初めて。


時雨の両手からブワアァァァっと吹雪が噴出。

まっすぐではなく少し傾斜しているので距離が開くほど広範囲になる。

急速凍結「笑う氷」

ブリザードが噴出される時にクスクス笑ってるような音が聞こえる怪現象を伴っている。

それで「笑う氷」などと呼ばれている。

言い出したのはちよだった。

マイナス180度以下になる冷気がブリザードと化して前方に噴出。

液体窒素でマイナス196度の超低温の液体。

それに準ずるほどの超低温の猛吹雪。

吹雪に覆われてしまえば生きものであっても非生物であっても一瞬で凍結する。


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