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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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23/72

5-2

カン、カンと刀が当たる音が続く。

もはや人間の目では捉えられないマッハの世界での攻防戦。

シレーヌが剣を振り降ろした。

ちよがナイフで頭上で受け止める。

その一瞬の隙を突いてシレーヌの右足がちよの腹を蹴り上げる。

パワー不足だといっても純血統吸血鬼だけあってちよを蹴り飛ばすくらいの力は十分にある。


不覚にもちよは後方の建物の壁に激突。

思わぬ攻撃を受けたちよはウグッと(うめ)いて左手のナイフを落としてしまった。

立ち上がる暇もなくシレーヌが急速接近。

日本刀を上段から落としてくる追撃。

ちよは右手のナイフでは受けなかった。

それどころか左腕で刀を受けた。

左腕の肘から先のあたりに刀がざっくりと入った。

骨まで斬られているがかろうじて繋がっている。


「いってぇなあぁぁ、このやろ」と叫びながらも右手のナイフはシレーヌの左足太ももに突き刺している。

相討ちのようでもあるがちよの勝ちだ。

ジグズナイフが刺さった箇所から炎が発生。

またたく間に全身に広がって燃えつきていった。


その一部始終をデンゼルは見ていた。

デンゼルは加勢をしなかった。

というよりできなかった。

デンゼルの目では高速移動している2人を捉えきれなかった。

そして気づいたら純血統吸血鬼のシレーヌが殺られた。

シレーヌとは血の繋がりがないので影響を受けることはなにもない。


自分なりに意見は進言していた。

カッツェ委員会へ報告して応援要請したほうがいいのではと。

だがシレーヌは聞き入れなかった。

自分の力に自信があったのか、それとも手柄を立てたかったのか?

だからこうなる。

未知の吸血鬼には手強いのがいる。

亜種と呼ばれる連中だ。

人間にだって他の生きものにだって突然変異ってのが生まれてくることがある。

それと一緒だ。

そんな規格外の相手かもしれないってことを熟考すべきだった。


デンゼルは吸血鬼反応を消している。

反応を自ら消したとなればその能力値はグッと下がることになる。

半分以下になることは確実だ。

争うつもりなど毛頭ない。

自分は撤収する。

そしてカッツェ委員会に報告する。

自分の役目はそこまでだと考えた。


この場から立ち去ろうとした時にちよの姿が目に入った。

シレーヌに日本刀で斬られた腕。

半分以上、いやもっとかも。

辛うじて繋がっていてブランブランしている。

その腕を自ら引きちぎっている。

左腕の肘から先だ。

それを路上に投げた。

青っぽいような炎が発生して燃えつきてしまった。


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